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AACR: 膵臓がん幹細胞 - 診断と治療に果たすがん発原細胞の役割 プリント メール
作者 Administrator   
2008/06/19 Thursday 10:12:40 JST

2008米国癌学会(AACR)レポート

 

近年、がん幹細胞の働きに関する研究は、がん研究の展望をかえてしまった感がある。多くのがんにおいて幹細胞が潜在治療目標として提示されるようになり、今回のAACRにおいてもがん幹細胞の研究が多数発表されていた。以下、2008 AACRで発表された膵臓がん幹細胞に関する最新の研究成果を報告する。

 

 

膵臓がん幹細胞 - 診断と治療に果たすがん発原細胞の役割


ジョンホプキンス大学の研究者は、新しい標的療法の開発に繋がる可能性がある膵臓がん幹細胞の存在を確認するための新しいマーカー「アルデヒド・デヒドロゲナーゼ」を特定したと発表した。膵臓がんは非常に悪性度が高く、既存の治療に対して耐性をもつことが知られている。研究者は、化学療法に対する耐性は膵臓がん幹細胞が原因ではないかと考えている。「がん幹細胞は治療可能な目標とされてはいるが、有効な治療法の開発には、純度の高い細胞群の同定と分離が必要である」とジョンホプキンス大学の研究者Zeshaan Rasheed氏は語った。

ヒト膵臓がんのサンプルを分析したところ、Rasheed氏と研究者は、サンプルのなかにアルデヒド・デヒドロゲナーゼを発現した小さな細胞集団を発見した。アルデヒド・デヒドロゲナーゼを発現しなかった細胞と比較し、これらの細胞は高い増殖能力を見せた。増殖能力は幹細胞の明確な特徴のひとつである。これまでの研究では、CD24+ と CD44+の細胞を膵臓がん幹細胞と同定した。Rasheed氏と研究者は、CD24+, CD44+とアルデヒド・デヒドロゲナーゼを発原した細胞は、著しく高い複製能力をもつことを発見した。複製能は幹細胞の特異的特徴であり、膵臓がんの転移の原因である可能性を示唆している。また、アルデヒド・デヒドロゲナーゼ陽性の細胞の存在は、低い生存率に有意に関連している。具体的には、がん細胞が陽性だった患者の平均生存期間は診断から平均14ヶ月で、陰性だった患者は18ヶ月だった。「この結果はがん幹細胞と患者の予後に直接関係があることを示している」とジョンホプキンス大学の著者William Matsui氏は語った。


Sourse:  AACR News: Stem Cells: The Role of Cancer-Initiating Cells in Diagnosis and Treatment, April 15, 2008

Abstract:5000

 

膵臓がん幹細胞の分離効率を向上し、臨床予後にも関連する機能的幹細胞マーカー、アルデヒド・デヒドロゲナーゼ(aldehyde dehydrogenase)

Rasheed ZA, et al. The functional stem cell marker aldehyde dehydrogenase enhances pancreatic cancer stem cell isolation and correlates with clinical prognosis: Abstract 5000

 


 

最終更新日 ( 2010/04/01 Thursday 16:33:35 JST )
 
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