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ASCO2009:進行膵癌対象AMG655+ゲムシタビン (Phase1b) プリント メール
作者 Editor   
2009/06/18 Thursday 14:21:32 JST

 ■ASCO2009:「転移性膵癌対象AMG655 +ジェムシタビン併用療法に関する安全性と有効性を評価するフェーズ1b臨床試験」

 

  AMG655 は完全ヒト型モノクローナル抗体作動薬で、細胞死受容体をターゲットとして膵臓がん細胞をアポトーシスに誘導する効果が期待されている。Hedy Kindler氏は、進行膵癌を対象としたAMG655 とゲムシタビン併用療法のフェーズ1b臨床試験の結果について説明した。フェーズ1の結果、j重篤な有害事象もなく、また6か月生存率76%、無憎悪生存期間(PFS)5.3か月、全生存期間中央値(OS)11か月.腫瘍制御率69%と良好であったことからフェーズ2が開始されたと発表した。

 

 

参考資料: 

 

J Clin Oncol 27:15s, 2009 (suppl; abstr 4501)

 

Abstract 4501

http://www.asco.org/ASCOv2/Meetings/Abstracts?&vmview=abst_detail_view&confID=65&abstractID=32425

 

 

 

 

  アポトーシスが誘発されると、特定のシステイン・プロテアーゼ(カスパーゼ)が活性化される。カスパーゼを活性化する経路には、内因経路(ミトコ ンドリア経路)と外因経路(細胞表面死受容体経路)の2つの経路があり、TRAIL(腫瘍壊疽因子関連アポトーシス誘発リガンド(Tumor Necrosis Factor (TNF)-Related Apoptosis Inducing Ligand)ファミリーには、2つの死受容体(DR4DR5)と3つの囮受容体(DcR1,DcR2,OPG)が存在する。内因性ライガンドは Apo2L/TRAILである。AMG655 Conatumumab)は、完全ヒト型モノクローナルアゴ二スト抗体であり、外因経路の受容体をターゲットとしている。


 フェーズ1、AMG655 First-In-Human試験では0.3-20mg/kg2週間おきに投与する試験が行われた。グレード3(疲労感、リパーゼ増加)の有害事象が 3例あったが、グレード4は見られず、用量制限毒性(DLT)も認められなかった。一部の症例では部分寛解(PR)が報告された。


 膵臓癌は通常の膵臓より高いレベルのDR5を発現する。プレクリニカルモデルにおいて、死受容体作動薬AMG655 は、ゲムシタビンとの併用、あるいは単体投与での有効性が認められた。


 KRAS
遺伝子異常は90%以上の膵臓がんに発現すること、またRASによる形質転換は、がん細胞のTRAIL誘導アポトーシスへの感受性を高めることが 知られている。これらの情報は、膵臓がんを対象にDR5作動薬の臨床試験を実施することが妥当であることを示唆している。


 本試験の主目的は、ゲムシタビンとの併用で投与できるAMG 655の最大許容用量(ターゲット用量の10mg/kgまで)を同定することである。副次目的は、毒性、寛解率、無憎悪生存期間(PFS)、6カ月生存 率、全生存率(OS)、薬物動態(AMG655とゲムシタビン)、AMG655 抗体産生の発生率である。


 フェーズ1b臨床試験のデザインは、コホート1に6人、コホート2に6人を割り当て、コホート1に対しては、AMG655  3mg/kg1日、15日に投与、ゲムシタビンは1000mg/㎡を30分以上かけて毎週1回、静脈へ点滴投与し、3週続けて1週休む28日サイクル のスケジュールを継続するというものであった。DLTが0あるいは1の場合は、用量が増加された。
 


DLT 用量制限毒性の定義について


AMG
655あるいはAGM655+ゲムシタビンに関連するグレード3以上の毒性で、以下の症状がみられた場合とされた。


・グレード4の疲労、あるいはグレード3の疲労が7日間以上続いた場合
・サポートケアが施されたにもかかわらずグレード3あるいは4の悪心、下痢、嘔吐がある場合
38.5度以上の発熱を伴うグレード3の好中球減少
7日以上グレード4の好中球減少あるいはリンパ球数減少が続く場合
・グレード4の貧血
ALTあるいはASTULN10倍を超えた場合
7日以上アミレースあるいはリパーゼの増加が続く場合
・肺塞栓症の症状

 


■主要な適格基準


・組織学的あるいは細胞学的に転移性膵がんが確認されている
ECOG PSが0から1
・十分な血液機能・肝機能・腎機能が確保されている(アミレース/リパーゼはULN2倍以下)
・抗凝固薬の使用は容認 (但し、出血はなく、登録前の最低7日間は安定用量であった場合)
・記入済インフォームドコンセント(IC

 


■主要な除外基準


・膵臓がんの化学療法あるいは放射線療法体験者
・外部胆道ドレナージ
30日以内に大手術を受けている、7日以内に生体検査を受けている
6カ月以内の臨床的に有意な心血管疾患
7日以内の感染症
・臨床的に有意な第二の腫瘍

 

 

■患者の特徴


患者13


・年齢の中央値65歳、
・女性7人、
ECOG PS:0 31%、1 69%、
・進行性膵がん100%、
・転移:肝臓77%、肺23%、腹膜8


患者の配置


13
人の患者は2つのコホートグル―プに配置された。AMG655 3mg/kgグループに6人、10mg/kg7人。


AMG655
 はジェムシタビンとの併用で、13名の患者に投与された。1週間に1回、静脈内へ点滴投与、3mg/kgのグループと10mg/kgのコホートグループで 試験された。用量制限毒性(DLT)は認められなかった。AMG655 に対する抗体産生も認められなかった。投与回数の中央値は6サイクル(222+)であった。

 


■有害事象


血液毒性は、ゲムシタビンと同等レベルであった。有害事象は、3mg/kgグループで、グレード3の好中球減少が1例、グレード4が1例、グレード3の血 小板減少が2例、グレード4が1例だった。10mg/kgのグループではグレード3の血小板減少が1例認められた。   


非血液毒性は、3mg/kgグループで頭痛が1例、血栓症が1例、10mg/kgのグループでは、悪心1例、腹痛2例、頭痛1例を認めた。いずれもグレード3であった。


検査毒性では、3mg/kgグループでリパーゼが1例、10mg/kgグループでは、AST2例、ALT 1例、アルカリリン酸1例、リパーゼ2例であった。いずれもグレード3であった。


 


■薬物動態


AMG655
の薬物動態(PK)は、First In Human試験のデータと類似していた。またゲムシタビンのPKAMG655との併用で変わることはなかった。PK相互作用もなく、AMG655 に対する抗体産生も認められなかった。


 


■腫瘍反応


フェーズ1bの結果は、13症例のうえ部分寛解(PR2例(15%)、安定状態(SD)7例(54%)、進行(PD4例(31%)だった。安定状態7 例のなかには腫瘍が縮小した例がみられる他、GISTの基準を僅かにクリアできなかった症例、また未確認の部分寛解2例も含まれている。平均生存期間は 11カ月、無憎悪期間は5.3カ月、6か月生存率は76.2%であった。



以下のデータは、進行膵癌患者において、この併用療法は有効であることを示唆している。


結論:


・全生存期間(中央値)OS: 11か月


・無憎悪生存期間(中央値)PFS5.3ヶ月


・腫瘍制御率(PR+SD):69


6か月生存率:76


 


■フェーズ2臨床試験


これらのデータは、進行膵癌を対象としたAMG655 とゲムシタビン併用療法のさらなる評価を支持するものであった。Kindler氏によると、本試験の結果をうけ、現在フェーズ2臨床試験が進行しており、 20094月で募集が完了したと発表。フェーズ2では、AMG655 10mg/Kg14日毎に投与するスケジュールが選択された。6か月全生存率をプライマリーエンドポイントとし、120人の患者が無作為に3群に分けら れ、さらにPS状態(0または1)で階層化された。


 


■フェーズ2のデザイン


Arm1
は、AMG655 10mg/kg D1,15Gemcitabine100mg/㎡xD1815


Arm2:
は、Placebo D1,15 + Gemcitabine100mg/㎡xD1815


Arm3
は、AMG479  12mg/kg D1,15Gemcitabine100mg/㎡xD1815 


 

となっている。AMG479は、IGF1-Rのモノクローナル抗体である。フェーズ2の結果は来年のASCOで発表される予定。


 


注:我が国では武田薬品がAMG655を進行性癌を対象に治験中である 


資料:http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/search/cancer/drugsearch/search.jsp

 

最終更新日 ( 2009/06/21 Sunday 04:08:20 JST )
 
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