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希望とインスピレーションの物語(2005年10月) プリント メール
作者 Administrator   
2007/11/26 Monday 00:24:07 JST

希望とインスピレーションの物語

ノリ・ショウジ、オハイオ州コロンブス

 

トチの実(オハイオ州の愛称)のことをご存じですか? 「キラーナッツ」とも呼ばれるこの実は、頑丈な殻に包まれた小さく固いナッツで、中の芯には毒が入っています。でもこの実はオハイオ州の住人にとっては特別な意味を持っています。ビル・ホール副学長はオハイオ州立大学(OSU)の学生部の部長ですが、彼こそ「トチの実」と言われるにふさわしいでしょう。ビルは愛情深く献身的で、世界的に優れた学びの場であるOSUへの誇りを持っています。それだけでなく、ビルは膵臓がんに対する勇気ある戦いも成し遂げたのです。

 

200412月、ビルは膵臓がんと診断されました。診断された時には病気は肝臓に転移していました。ビルは現在積極的な化学療法を行っていますが、このような病気にもかかわらず彼の不屈の精神は彼だけでなく彼の周囲にいる人にも道標となっています。ビルの前向きな態度は、学生部のスタッフや同僚が、部長と連絡が取れない時でもこの仕事で彼が目指していたものを実現しつづけていくような機会を求める意欲をかき立てました。ビルはこの病気にかかる前はいつでも連絡が取れ、疲れることなく働き続けていました。色々な意味でビルの病気によって私たちは一般的な水準を超えて仕事をするようになりましたし、最も大切なことは、彼と一緒に病気と闘うようになったのです。

 

ビルと個人的また職業的に付き合いのある人々それぞれが自分なりのやり方で、彼のがんとの戦いにおける共同戦線の貴重な仲間となりました。12月にビルの診断がつくと、大学のコミュニティはすぐに一つになってビルの人生をたたえ、支えるために走りだしました。1月の下旬、学生部ののスタッフと学生たちは毎年行われる24時間募金活動の中の1時間を割いて「ビル・ホールの時間」を作ったのです。皆がこぞって募金したので、1時間で5000ドル以上が集まり、これが元になってOSUメディカルセンターのジェームズがん病院の中に膵臓がん研究のためのビル・ホール基金が作られました。スタッフの中には、2週間に1度のビルの化学療法に一緒に行った人もいました。それに加え、膵臓がんという病気をできるだけ広く知ってもらう広報活動とビルを支える活動は、現在も盛んに行われています。

 

5月の学年の終わりに、ビルは選考委員会の満場一致で大学の学位授与式の式辞人に選ばれました。そこでビルは7500人近くの卒業生の前で話をしたのです。その日彼が卒業生に伝えた人生の教訓の一つは、人を尊ぶと言うことでした。「私はがんの闘病体験を通して、これまでの人生に無かったほどの勢いで友人や、同僚や家族のやさしさを尊ぶようになりました。私はまた人それぞれの多様性について新たなことを学びました」と彼は語りました。人間が思いやりを示す方法にどれほどまでの多様性があるのかという点で、この話は講演を聴いていたすべての人の心に深くしみわたった助言となりました。

 

ビルは診断後、それまでよりはるかに態度が結果を左右するということを実感したそうです。「私は、どんな診断を受けようとも、どれほどの挑戦や困難が待ち受けていようとも、毎日を最大に生きようと決心したのです」とビルは話し、愛する人たちが支えがあれば、人は驚くほどのことができるということを強調しました。「どうか前向きな態度を保ちつづけ、人生の毎日すべての日からあらゆる瞬間をしっかりと手にしてください。」

 

ビル・ホール副学長は友人たちと同僚にとって、真のトチの実だましいを備えた人です。ビルは自分の社会生活を世界で最も素晴らしい人々 ーオハイオ州立大学の人々ー の間で過ごすことができて幸運だった、と言っています。「毎日毎日、何年も何年も、聡明で生き生きとしていて思慮深く思いやりのある人々に囲まれて過ごしたら、自分も情熱的で楽天的な人間にどうしたってなってしまうものだよ。」同じように、OSUで私たちが仕事に向かう熱意はこの人の「毎日を最大に生きる」という情熱から来ているのです。

 

写真:タンロス・ベカリ=サーブ医師、ビル・ホール氏、ノリ・ショウジさん。

 

 

 
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