2011年2月2日

NCCNによって2011年度版膵臓がんのガイドラインが発表されました。進行がんの患者向けの抗がん剤治療ではファーストラインとしてFOLFIRINOX(カテゴリー1)が追加されました。日本では主にカテゴリー1に該当する薬剤が承認申請され保険適用となってきました。エルロチニブは承認申請中で、FOLFIRINOXの臨床試験はまだ開始されていません。

ドラッグラグの問題が最近話題になります。「未承認」新薬の場合、欧米と比べて承認までに平均約4年は遅れていると言われています。外資系の製薬会社はまずFDA(米国食品医薬品局)からの承認取得を優先しますので、FDA承認後、日本で販売するかどうかの検討に入ります。また、FDA承認から日本での治験開始までにさらに約2年費やしています。このような現状を改善するため、PDMAでは新薬審査人員の増加、国際共同治験の活性化、承認過程の見直しなどの対策を打ちだしていますが、日本における治験着手までの期間短縮が大きな課題とされています。

エルロチニブのようにすでに肺がんで承認を受けているけれども膵臓がんには適応になっていないという、「適応外使用の問題」についても、日本ではドラッグラグの問題として捉えられています。米国では保険で使用が認められている多数の抗がん剤全体の33%しかFDAは承認していないという現実があります。米国では薬事承認と保険適応を別にしているため、FDA等で承認された薬剤の適応外使用については、新しいエビデンスに合わせて迅速に保険適応とする仕組みがあります。

現在、膵臓がんで使える薬が2剤しかない日本と比較すると米国の方が選択肢が多いという感は否めません。国内では S-1+オキサリプラチン、S-1+イリノテカンの臨床試験が行われていますが、FOLFIRINOXが迅速承認されることに期待したいと思います。

■2011年度版NCCNガイドライン

<ファーストライン>

単剤

1.ゲムシタビン(カテゴリー1)

2.FDRゲムシタビン(カテゴリー2B)

3.カペシタビン

併用療法

1.ゲムシタビン+エルロチニブ(カテゴリー1)

2.FOLFIRINOX (カテゴリー1)

3.ゲムシタビン+カペシタビン

4.ゲムシタビン+シスプラチン(特に遺伝性疾患)(カテゴリー2B)

5.ゲムシタビン+ドセタキセル+カペシタビン(GTX療法)(カテゴリー2B)

6.ゲムシタビン+ナブパクリタキセル(カテゴリー2B)

<セカンドライン>

1.ゲムシタビン

2.カペシタビン

3.5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン

4.カペシタビン+オキサリプラチン(CapeOx)

以上

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