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サバイバーストーリー:アンドレア・プレシッチ(Stage 3)

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サバイバーストーリー:アンドレア・プレシッチ(Stage 3)

家族歴を理解することは、治療の選択肢に幅をもたらす

エリザベスプレシッチ     
2016年5月18日

 

私はエリザベス・プレシッチと言います。医師です。これは私の母、アンドレア・プレシッチのストーリーです。母はいま67歳ですが、2015年11月に腹痛、背中の痛み、食後の吐き気、膨満感を経験し始めました。私は母をセントルイス市にあるバーンズユダヤ人病院(ワシントン大学)に連れて行きました。そこで検査の結果、ステージIIIの切除不能な膵臓がんと診断されました。母は15年前に乳がんと診断され、化学療法、ホルモン療法、乳房切除術および放射線療法の治療を受けていました。治療は成功し、幸い再発もありませんでした。

 

■家族とBRCA2遺伝子変異

 

私たちの家族には母親のほかにも乳がんの体験者がいます。父親の側に何人かの女性が乳がんを体験していました。母が膵臓がんと診断されるわずか数カ月前の2015年9月に私は遺伝子検査を受け、BRCA2遺伝子変異が陽性と言われていました。私は医師であり、現在は腫瘍学を学んでいますので、BRCA遺伝子変異が陽性の膵臓がん患者は、プラチナベースの化学療法に対して感受性が高いかもしれないことを読んで知っていました。私が家族性膵がん患者に多くみられるBRCA2遺伝子変異が陽性なのは、母親側からきたのか、父親側から来たのかどうかは分かりませんでした。母は、自分が2つのBRCA遺伝子変異に関連するがん(乳がんおよび膵臓がん)を体験していること、さらに、私がBRCA2遺伝子変異陽性の診断を受けていることから、セントルイスにあるワシントン大学のサイトマンがんセンターで遺伝カウンセリングと検査を受けることにしました。母は、家族のいるセイントポールに引っ越し、セイントポールのミネソタオンコロジーセンターにて、トーマスダッカ―博士のお世話になることにしました。 BRCA2の突然変異の分析が行われている間、母はゲムシタビンとアブラキサンの化学療法を開始し、1サイクルを完了しました。

 

■化学療法の選択

 

遺伝カウンセリングの約1カ月後に、母は、私と同じBRCA2遺伝子変異を保有していることが確認されました。そこで、母は担当医に相談して、ゲムシタビンとアブラキサンの治療を中止し、ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法に切り替えて、プラチナベースの化学療法を行うことに決めました。担当医は私の母親が何週間も病気で虚弱していたこと、乳がんの化学療法でも悪心があり、吐き気のでる可能性のすくない治療法を望んでいたので、同じくプラチナ系製剤オキサリプラチンを使うフォルフィリノックス(5-FU、ロイコボリン、イリノテカン、オキサリプラチン)は避けることにしました。

 

2016年3月、母親はゲムシタビンとシスプラチン※の第3クールを完了しました。何回か吐き気を経験しましたが、化学療法前に経験していた症状のような深刻な副作用はありませんでした。軽い痛みはありますが、化学療法を開始すると軽減されてきたので、治療に対する反応が良いことを願っています。第3クールのスタートは、好中球(白血球)が少ないために遅れましたが、シスプラチンの投与で出現する可能性がある神経障害はまだ経験していません。彼女は次のサイクルの後に繰り返しイメージ療法を受けることになると思います。

 

私は同じような境遇にある膵臓がん患者のために役立ちたいので、BRCA2とBRCA2関連の膵臓がん患者のための特別な治療法についてさらに学びたいと考えています。家族の病歴についてはよく知っておくことはもちろん大切ですが、特に自分の治療の選択肢に影響を与える場合はとても大切です!

 

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※編集注1:シスプラチンは国内では膵臓がんに対してはいまだに未承認

ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法は、1996年に米国食品医薬品局(FDA)により、フルオロウラシル(5-FU)で治療を受けた経験のあるステージ2または3局所進行がん、あるいはステージ4の転移性膵臓がん患者のための治療薬として承認されました。しかし、このシスプラチンもいまでは特許が切れて、ジェネリック医薬品がでています。ジェネリック医薬品を使った臨床試験を通して、米国食品医薬品局(FDA)が新たな効能を追加したとしても、その医薬品を開発した先発医薬品メーカーは採算がとれないことを理由に日本国内での承認申請を行わないことがあります。もちろん後発医薬品メーカーも承認申請のコストまで負担して、他の臓器がんのために申請することはしません。厚生労働省はジェネリック医薬品の使用を奨励しているにも関わらず、ジェネリック医薬品で新たな効能が発見された場合、保険償還に向けた積極的な施策がいまだに打ち出されていません。シスプラチンのドラッグラグは、1996年のFDA承認から数えてすでに21年が経ちました。

 

編集注2:家族性膵臓がんの患者は膵臓がん患者の約7%と言われています(国立がん研究センター研究所 谷内田真一)。BRACA遺伝子変異のある方には、プラチナ系製剤への感受性が高いことが指摘されています。米国NCCN診療ガイドラインでは、ゲムシタビン+シスプラチン併用療法が勧められています。そのため、パンキャンジャパンでは、安くてよく効く可能性のあるシスプラチンの膵臓がんにおける早期保険償還を求める要望書を2015年5月に厚生労働省に提出しました。しかし、いまだに保険適用されていません。(2017年8月現在)

 

(Source:Survivor Story-Let's Win Lustgarten Foundation)

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<免責事項>この医療記事は、サバイバーの経験を紹介する目的で書かれています。特定の治療法や薬の使用を推奨するものではありません。ご自身の病状については、担当医とよく話し合ってください。このウェブサイトの情報を利用して生じた結果についてPanCANJapanは一切責任を負うことができませんのでご了承ください。

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