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進行膵臓がんを対象とした免疫療法の治験が継続中

2018年3月25日

 

標準療法が効かなくなった進行膵臓がん患者を対象とした樹状細胞ワクチン療法が和歌山県立医科大学にて継続されています。和歌山県立医科大学外科学第2講座の山上裕機(やまうえ ひろき)教授を中心とする研究チームは、膵臓がんに対するがんペプチドワクチン療法など免疫療法の開発を進めてきました。日本で初めての膵臓がんの樹状細胞 ワクチン(TLP0-001)の医師主導型治験として、2017年3月に開始された樹状細胞ワクチン療法の治験は患者登録中です。

 

再生医療等製品に係る医師主導治験「標準療法不応の進行膵癌患者を対象とした樹状細胞ワクチン療法」と呼ばれるこのの治験で使用される 樹状細胞は、癌免疫療法での司令塔となる細胞です。この樹状細胞には T 細胞を活性化させる働きがあり、活性化した T 細胞ががん細胞への攻撃を行なうという、従来にはない新たながん免疫療法の切り札となることが期待されています。治験薬「TLP0-001」 は、患者から得られたがん抗原が含まれる血液を用いて培養された樹状細胞を加工して製造されます。 これを投与することで、からだのなかの免疫機構が、がん細胞を選択的に攻撃する T 細胞を効率よく増殖活性化することが期待されています。

 

本試験は、標準療法不応膵癌に対する樹状細胞ワクチン「TLP0-001」 の安全性と有効性を検討する二重盲検ランダム化比較第Ⅲ相医師主導治験として、和歌山県立医科大学にて治験製品投与の安全性を確認し、その後全国の多施設共同で 185 人の患者さんに協力いただき有効性を検証する計画です。2022 年までに再生医療製品としての樹状細胞ワクチンを標準療法不応膵癌に対する新規治療製品として開発できるようエビデンスの構築を目指します。

 

転移のみられる進行膵臓がん患者の治療は、一次治療から二次治療、さらに三次治療と進むにつれて治療の選択肢が少なくなります。米国でもGVAXワクチン、CRS-207ワクチン, さらに免疫チェックポイント阻害剤と化学療法の併用療法など、さまざまな免疫療法の臨床試験が行われています。標準療法が効かなくなった進行膵臓がん患者の治療法は、選択肢が極端に限られていることからいまだに確立されておらず、より効果的な治療法の開発が待ち望まれています。

 

本試験に関する問い合わせは下記の勝田先生までご連絡ください。

 

問い合わせ先:和歌山県立医科大学外科学第2講座 担当者 助教 勝田将裕
所在地: 〒641-8509 和歌山県和歌山市紀三井寺811−1
電話: 073-447-2300(内線 5112)