希少がんである神経内分泌腫瘍に対する核医学治療薬ルテチウム177の早期国内導入に関する要望書を厚労省に提出

kokuminkaigi youbousho

(2017年12月01日 厚生労働省にて撮影)

 

希少がんである神経内分泌腫瘍に対する核医学治療薬ルテチウム177(Lutetium 177 Oxodotreotide)の早期国内導入に関する要望書を厚労省に提出

金沢大学医学部核医学教授の絹谷清剛氏(会長)、認定NPO法人がんサポートコミュニティー事務局長大井賢一氏(副会長)NPO法人パンキャンジャパン理事長眞島喜幸氏(副会長)とする「核医学診療推進国民会議」では、関係当局に"患者さんの声"を届け活動を続けている。この度、欧州EMAの承認を受け、国内の関係当局に早期国内導入に向けた要望書を提出した。

 

神経内分泌腫瘍に対する核医学治療薬ルテチウム177 Lutetium (177Lu) Oxodotreotideの早期国内導入に関する要望書

 

 希少疾患である神経内分泌腫瘍は、外科的切除が不可能な状態まで進行した場合、有効な治療選択肢が限られたアンメットメディカルニーズの高い疾患であり、核医学治療であるPeptide Receptor Radionuclide Therapy(PRRT)が有効とされております。本年1月6日に提出した「難治がんに対するRI内用療法の国内導入に関する要望書」においても、PRRTを含む核医学治療の国内導入を加速させるための施策をお願いしたところです。その中で、手術不能あるいは遠隔転移を有する進行性膵・消化管神経内分泌腫瘍に対するPRRT用薬剤であるLutetium (177Lu) Oxodotreotideが、2017年9月29日に欧州で承認を受けました。米国でもまもなく承認の見込みと伺っています。この承認は、欧米で1,200名の患者を対象とした第1/2相臨床試験及び229名の患者を対象とした無作為化比較対照第3相臨床試験に基づく頑健なエビデンスをもって得られたものです。ひるがえって我が国では、治験を除く未承認放射性薬物の運搬及び臨床試験は、医療法及び薬機法下では実施できず、また先進医療としても国内でのPRRTの実施がきわめて  困難であることから、多くの患者がPRRTを求めてスイス・ドイツに渡航されており、本治療の国内での実用化及び保険適用が強く求められておりました。


その中で、厚生労働省の関連部署のご指導のもとに日本核医学会が整備した本剤の適正使用に関わるマニュアルに従った実施方針が確定され、企業による第1相臨床試験がようやく開始されたものの、国内承認までには相当の開発期間を要するものと思われ、PRRTの実施は欧米からさらに大きく遅れる懸念があります。


 本剤の薬物動態は、尿路排泄が主であり、肝臓などにおける代謝排泄を受けるものではありません。また、我が国の同疾患の患者群と欧米の患者群には、発生臓器に相違はあるものの、本剤の効果発現に関わる腫瘍のソマトスタチン受容体発現に差は見られません。したがって、我が国の患者群における本剤の安全性、効果はともに、欧米での臨床試験結果と同等であると考えられます。
 このような背景から、PRRTの早期国内導入を待望している患者及び医療関係者に代わって、下記について要望する次第です。


1.    本剤の欧州承認で参照された第1/2相臨床試験及び無作為化比較対照第3相臨床試験、並びに現在企業が実施中の国内第1相試験の結果をもって、本剤の有効性を「医学薬学上公知」として取り扱うこと

2.    これによって、迅速な公知申請受理と薬事承認を実現させ、国内での一日も早い保険診療の開始を実現させること


以上