ASCO:未治療転移性膵管腺がん患者を対象とした免疫療法ニボルマブ+抗がん剤併用療法の第二相パイロット試験 

ASCO:未治療転移性膵管腺がん患者を対象とした免疫療法ニボルマブ+抗がん剤併用療法の第二相パイロット試験 
~ 免疫化学療法(ニボルマブ+パリカルシトール+ゲムシタビン+ナブパクリタキセル+シスプラチン) ~

ASCO-GI Abstract 358

 

2018年1月19日

 

米国ASCO-GIにおいて、進行膵がん患者を対象とした免疫治療薬ニボルマブと抗がん剤の多剤併用療法のパイロット研究結果が報告された。従来のゲムシタビン+ナブパクリタキセル療法にシスプラチンが追加された3剤抗併用治療に、腫瘍周辺の微小環境の免疫強化を図るパリカルシトールとチェックポイント阻害剤であるニボルマブを投与する新しい混合型の治療法である。発表されたのは8名と小人数の結果ではあるが、高い奏効率が達成されたことで今後の展開が期待できる内容だった。

 

著者:Erkut Hasan Borazanci, Gayle S. Jameson, Mitesh J. Borad, Ramesh K. Ramanathan, Ronald Lee Korn, Lana Caldwell, Karen Ansaldo, Kristin Hendrickson, Katie Marceau, Daniel D. Von Hoff; HonorHealth/ TGen, Scottsdale, AZ; Virginia G. Piper Cancer Center at Honor Health, Scottsdale, AZ; Mayo Clinic, Scottsdale, AZ; Mayo Clinic, Phoenix, AZ; Scottsdale Medical Imaging, Ltd., Scottsdale, AZ;

 

背景:膵腺がんの効果的な治療法は、臨床上最大のアンメットニーズの1つである。 ゲムシタビンおよびナブパクリタキセルへのシスプラチンの追加は、以前報告された臨床研究で有望な臨床結果を示していた。 また、前臨床研究では、ビタミンDアナログ療法は、骨髄由来免疫抑制細胞(myeloid-derved suppressor cels:MDSC)および制御性T細胞を減少させ、膵腺がんの微小環境をより免疫に優しいものに変えることが判明した。この臨床試験では、それらの知見をもとにゲムシタビン+ナブパクリタキセル+シスプラチンの抗がん剤に免疫療法であるチェックポイント阻害剤ニボルマブにビタミンDアナログ療法を加えた免疫化学療法を未治療転移性膵癌患者に投与した。この試験では免疫化学療法の有効性と安全性を評価する。(NCT02754726).

 

方法:適格基準は、ステージIV 膵管腺がん、全身性疾患の化学療法を受けていない、KPSスコア70点以上(全身状態)、そして測定可能な疾患を有すること。投与方法は、 ナブパクリタキセル 125 mg/m2、ゲムシタビン 1000 mg/m2 で、それぞれを 30 分かけて静注する。 シスプラチン 25 mg/ m2 は 60 分かけて静注。42日サイクルで、APPGCは 1日、8日、22日、29日目に投与する。ニボルマブ 240 mgは、1日、 15日、29日目に60分かけて静注する。パリカルシトール25 µgは週二回静注。

第一の目的は、完全奏功(CR)、客観的奏功率(ORR)、無憎悪生存期間(PFS)、および生存率(OS)により、未治療の転移性膵管腺がん患者に対する多剤併用療法の有効性を決定することである。第2の目的は、以前治療されていない転移性膵管腺がん患者の安全性を評価することである。

結果:試験は2016年5月に開始され、10人の患者が試験の初期段階に登録され、評価可能であった(ベースラインとフォローアップCT画像診断1回以上)。最も発現頻度が高かった薬剤関連の有害事象(AE)は、 血小板減少症が100%(gr 3=40%、gr 4=50%)であったが重篤な出血はみられなかった。貧血が50%(gr 3 = 50%, gr 4 = 0%)、大腸炎が20% (gr 3 = 20%, gr 4 = 0%)の患者で確認された。RECIST 1.1 評価指標による奏功率は、部分奏効(PR)8人、安定(SD)2人であった。また客観的奏効率(ORR)80%、無増悪生存期間(PFS)中央値は8.2ヶ月、全生存期間(OS)中央値は未到達であった。

結論:小規模なパイロット研究ではあるが、高い奏功率が記録されたことは期待される。このレジメンは、探索的炎症性バイオマーカーを含む計画により、25人の患者に拡大されている。臨床試験情報:NCT02754726

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