海外ニュース:米国メイヨークリニックは、進行膵がん患者が寿命を延ばす術前治療の3つの要因を発見

2019年4月2日

 海外の記事から。メイヨークリニックは「USニュース&ワールド・レポート誌(U.S.News & World Report)」の病院のランキングで毎年トップクラス入っている世界的に著名な米国有数の総合病院です。今月、進行膵臓がん患者の生存率を延ばす治療に関連する「3つの要素」を発表し、米国でもニュースになりました。以下に翻訳を紹介いたしますので、ご興味のある方はご参照ください。

■メイヨー・クリニックは膵臓がん患者のために治療計画の3つの要因が寿命を延ばすことを発見
 
 研究者たちは、一般的には無理だろうと考えられている場合でも、がんの長期生存が時には可能であると考えています。

 長い間、腫瘍が静脈や動脈を含むように膵臓の外側に成長する膵臓がんの場合、手術することができず、平均生存期間は 12〜18ヵ月 と言われていました。新しく発表されたMayo Clinic(メイヨー・クリニック)の研究で、3つの要因に焦点を当てた術前治療が、従来の 平均生存期間 それを超えて寿命を延ばすことができることを発見しました。研究結果は、Annals of Surgery、American Surgical AssociationおよびEuropean Surgical Associationのジャーナル( 医学雑誌 )に掲載されています。

 この研究は、化学療法とそれに続く放射線と手術を受けた194人の メイヨー・クリニック の患者を追跡したもので、平均生存期間は58.8ヶ月、つまり5年弱となりました。研究者らは、以下に示す3つの要因を持つ患者は、そうでない人よりも有意に長い生存期間を持っていたことを発見しました。

1.手術前の術前化学療法は、治療期間が長ければ長いほど 余命が伸びる
2.手術前の化学療法により、CA19-9が 正常値にまで落ちてきている
3.手術で切除された腫瘍が 化学療法の結果、ほぼ全体に壊死していた

 論文の主執筆者 Mark Truty博士は、彼の患者のおよそ半分が、 膵臓がんが静脈と動脈の関与しているため、他の病院では手術ができないと言われた後に、彼のところに来たと推定しています。博士は、今回の研究結果が、そのような多くの手術不能とされる患者でも、手術前に適切な治療を受ければ長期生存が可能であることを、まず医師を納得させることになればと願っています。

 ミネソタ州ロチェスターのメイヨークリニックで腫瘍外科医を務めるTruty博士は、次のように述べています。 「私たちは現在、より高度な手術手技とより効果的な化学療法と放射線療法を行っています。目標は、患者の寿命を延ばし、生活の質を維持または向上させることです。」

 米国では約55,000人が毎年膵臓がんと診断されています。その約3分の1の方では、腫瘍は他の臓器には拡がっていませんが、膵臓の外側にまで広がっており、静脈や動脈を包み込んでいます。医学的には、それらは borderline resectable(ボーダーライン・リセクタブル:切除可能な境界線)またはlocally advanced(局所進行)と見なされます。これまでの認識では、外科手術は、膵臓がん患者に長期生存の唯一の機会を与えてきましたが、癌が静脈や動脈に関与している場合、手術しても癌が取り残される危険性が高いために手術不能であるという考えでした。メイヨー・クリニックの研究結果は、その従来の考えに反論しています。

 研究チームは、 メイヨー・クリニック で7年間にわたり治療された膵臓がん患者のうち、194人を追跡調査しました。全員が個別の化学療法を受け、続いて放射線療法と腫瘍を除去する手術を受けました。ほとんどの患者では、手術は膵臓腫瘍に侵された静脈や動脈の除去と再建を含みました。手術前の患者の治療にとって重要なのは、正しい化学療法を見つけて、CA 19-9腫瘍マーカーが正常になり、 PETスキャンとして知られる高度な画像診断法であるポジトロンエミッショントモグラフィー(陽電子放出断層撮影)で腫瘍が壊死していることが示されるまで、 それを継続することでした。

 上記に示した3つの要因は、要因の数が多ければ多いほど、患者はより良い余命が得られました。 3つの要因はすべて化学療法とそれに対する反応に関連しているので、手術前に化学療法を調整することによって、より多くの患者がそれらの要因を達成することを助けることが可能かもしれない、とTruty博士は語っています。

 メイヨ―クリニックの研究では、 患者の29% が 3つの要因のすべてを同定していました。生存期間の中央値はまだ計算されていませんが、その理由は この研究対象の患者の半数以上がいまだに生存しているからです。また、 2つの要因を持ってい るのは、患者の29%で、生存期間の中央値は58.6ヶ月でした。

 要因が1つだけの患者は、31%で、生存期間中央値は29.7ヶ月でした。 どの要因も持っていなかった患者は 11%で、生存期間の中央値は18.5カ月でした。

 「重要なのは、これらの進行がんの患者が手術前に正しい方法で治療を受ければ、非常に良い結果を出すことができるということです。私たちのデータによると、腫瘍が静脈に接触していても、あるいは動脈に接触していても、長期生存期間に違いはありませんでした。重要なのは、化学療法がどのように施されたか、そして化学療法に効果があった場合にのみ、その後、放射線と手術を行ったという、これらの3つの要因です」 とTruty博士は語っています。

 誰が手術に適しているのかを特定することと同じくらい重要なのは、誰がより適してないかを特定することです。癌が膵臓を超えて(膵臓の外へ)拡がっている患者では手術は複雑であり、予測される利益とリスクを比較検討する必要があります。外科手術の規模を考えると、そうしたことが可能な病院はメイヨー・クリニックを含む米国のいくつかの主要な医療施設でのみ可能です。

 この研究は患者にとって重要であるため、 メイヨー・クリニック この記事を有料の医学雑誌で一般公開しました。

 

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■原典
『Mayo Clinic finds 3 factors in care plan extend life for advanced pancreatic cancer patients』
https://newsnetwork.mayoclinic.org/…/mayo-clinic-finds-3-f…/

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