Letswin Two brothers BRCA

弟の膵臓がんは年上の兄の膵臓がん早期発見に繋がりました

スコットとスティーブネルソン

2019年6月6日

弟スコットと兄スティーブネルソンは13年離れていましたが膵臓がんと診断されました。兄弟は、自分の家族、特に母親の側にがんが多いことを知っていました。 52歳で乳がんを患った母親は、2002年に遺伝子検査を受けBRCA2遺伝子変異を持っていることがわかりました。弟スコットと兄スティーブも翌年2003年にBRCA遺伝子検査を受け、同様にBRCA遺伝子変異があることを知りました。このネルソン兄弟のストーリーは、兄弟愛と同様に、遺伝子検査と定期的なスクリーニング検査の重要性を教えてくれます。

◆弟のスコットが膵臓がんと診断される

私、スコットは2004年に50歳になったので、自分のコレステロール値から始めて、健康にもっと気を配ることにしました。しばらくして、気分が悪くなり始めたとき、定期的に医師の診察を受けて血液レベルを一定に保とうとしました。私の担当医は最近の血液検査結果で異常な何かを見つけたようで、超音波内視鏡検査を命じました。そして、私の膵臓に腫瘍が見つかりました。地元外科医の診察は数日間はなかったので、私は週末にインターネットで情報を検索しました。私が見つけた膵臓がんの情報は厳しいものでした。それは私の人生のなかでも最悪の週末でした。

地元の外科医はすぐに手術をしたかったのですが、私はメイヨークリニックでセカンドオピニオンを受けることにしました。メイヨ―クリニックのスペシャリストは、ミネアポリス市にあるアボットノースウェスタン病院(Abbott Northwestern Hospital)のバージニアパイパーがん研究所(Virginia Piper Cancer Institute)のティムシーラフ(Tim Sielaff)博士に私を紹介してくれました。セカンドオピニオンを受け、膵臓がん専門医に治療してもらうことにした結果、私にとって大きな違いをもたらしました。

シーラフ博士は私が膵頭十二指腸切除術による手術を受けることを勧めましたが、さらに検査をした結果、腫瘍は血管周辺に接触していることがわかった。これは私が手術を受ける前に腫瘍を縮小するために化学療法と放射線治療を必要とするだろうということを意味していました。シーラフ博士は、臨床試験に参加することを勧め、ミネソタ大学血液腫瘍専門医/腫瘍内科医であるエドワードグリーン博士(Edward Greeno)のところに私を送りこみました。シスプラチン、フルオロウラシル(5-FU)による化学療法、インターフェロンアルファによる免疫療法、さらに高線量の放射線療法を8週間に渡って受けました。

臨床試験はうまくいき、私は手術を受けることができました。手術から回復した後、私は5-FUによる、より高用量の化学療法を受けました。その治療を完了したとき、癌がなくなったと宣言されました。私はその後、6年間にわたり、定期的に画像診断のスキャンを受けてきましたが、その後、スキャンの回数は減らされました。そして今は数年ごとにスキャンを受けています。

診断後や治療中に私が感じた恐れと孤立感は、私が膵臓がん患者と家族のサポーターになる方向に導いてくれました。私はPanCAN本部のサバイバーとケアギバー・ネツトワーク(Survivor&Caregiver Network)のメンバーになりました。ここでは、診断と治療を始めたばかりの人々や、がんと闘う(StandUp-to-Cancer)イベントやラストガーデン財団(Lustgarten)の膵臓がんの早期発見ドリームチーム(Pancreatic Cancer Interception)、メイヨークリニックおよびALS協会ミネソタ/サウスダコタ/ノースダコタ支部(患者ケアと支援の分野)など、他の多くの組織とともに患者・家族支援活動を行っています。私は、膵臓がんと診断された後、その週末に自分で経験したことを他の患者には経験してもらいたくないと考えているため、できるだけのことをしています。私は膵臓がん患者に希望を与えたいのです。

兄のスコットは知りませんでしたが、膵臓がんと診断されたときに彼が持つBRCA2遺伝子変異は膵臓がんの罹患率を高めるため、彼を高いリスクにさらしていました。彼が治療されてから今日までの間に、がん研究は彼が受けたシスプラチンなどの白金製剤(プラチナベース)の化学療法が彼のようにBRCA遺伝子変異を持つ患者によく効くことを示しました。

 

◆家族のがん体験は、定期的に検査を受けるよう兄スティーブを警戒させました

兄スティーブは、弟のスコットが膵臓がんになった2年後に前立腺がんを患っていました。母親のがんで、すでに兄弟がBRCA2遺伝子変異がることを知っていたので、私と私の数人の兄弟は2009年にボルチモア市にあるジョンズホプキンス大学病院に拠点を置く家族性膵臓がんの早期診断スクリーニング研究(CAPS)プログラムに参加することを決めました。最初のCAPS検査を受けるためにメイヨークリニックに行き、マークトパジアン(Mark Topazian)博士と会いました。私はCAPSスクリーニングの後もその先生のところに通い続けました。

(注:日本でもジョンズホプキンス大学の家族性膵癌登録制度に従い、日本膵臓学会が主体となって家族性膵癌登録制度を運営しています。CAPSスクリーニング同様、登録されたごご家族は、日本にいながらにして高精度なスクリーニング検査を受けることができます。妹を膵臓がんで亡くした眞島氏、その後スクリーニング検査を受け、6年後にステージ0の膵臓がんが見つかり手術を受け完治しました。ご家族に膵臓がん体験者のいる、膵臓がんの罹患リスクが高い方は、必ず専門医によるスクリーニング検査を受けるようにしましょう。詳しくは、こちらのホームページを参照ください ☞ http://jfpcr.com/

兄スティーブが最初に受けた超音波内視鏡検査(EUS)は、膵臓にある神経内分泌腫瘍(PNET)と膵頭部にある膵のう胞を示しました。私は通常型の膵臓がんが見つかったと思い、非常に心配しましたが、トパジアン博士はこれは通常型の膵腺癌ではないと安心させてくれました。我々は綿密なスクリーニングプログラムを始めました。最初は6ヶ月ごとでしたが、その後は1年に1回、それから2年ごとに1回というふうに頻度を下げるなど、回数は調整されました。しかし、2017年に受けたEUSは主膵管が狭くなっていることを示しました。内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)を行い、ステントを挿入して主膵管が狭くなっているところを開けました。その手順の一部として、膵管内の細胞を集めて解析しました。

私の外科医であるマイケルケンドリック(Michael Kendrick)博士に手術の後に会ったとき、彼は「あなたの細胞は、本当に悪い何かを始めようとしていることを私たちに告げています」と言いました。その結果、腹腔鏡下で膵体尾部切除術を受けました。手術中、残りの膵臓とリンパ節を調べたところ、癌性細胞は見つかりませんでした。手術は腹腔鏡下で行われたので、私は2ヶ月でほぼ正常の生活に戻ることができました。

私はまだメイヨ―クリニックでフォローされます。私は家族性膵癌に関わるがん研究の進歩と兄弟の経験から恩恵を受けました。 スコットは長年にわたり患者支援の擁護活動に献身的に取り組んできましたが、私にとっては断続的で主に彼をサポートするために患者会の活動に参加していました。それは私の成功した手術までのことです。今、私たちは自分たちの物語を話すためにチームを組んでPanCANのネットワークに参加し、患者支援活動を続けています。

弟のスコットの治療の旅は長くて非常に困難であり、彼はがんとの闘いに勝つ、その可能性を追求することで成功しました。兄の私の成功は、彼の経験から得られた知識と、早期発見とスクリーニングによる積極的なアプローチをとった結果です。その結果、癌は初期の段階で発見され、完全に切除することができたため、それ以上の治療を避けることができました。

現実から隠れるのではなく、早めに状況を受け入れることが私の命を救いました!それがスコットと私が伝えたいストーリーであり、それによって私たちは膵臓がん患者とその家族にある程度の希望をもたらすことができると思います。

両兄弟は募金活動に参加し、ワシントンDCではPanCANとともに、国のがん研究予算を増額するよう国会議員に働きかけました。最もやりがいのある会話はこのひどい病気の影響を受けた人々とその家族との会話であると思います。

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