サバイバーストーリー:ステージ4の若い父親は子供たちにために膵癌と闘うことを誓う(STAGE4)

~34歳の膵臓がんサバイバーは分子標的療法によく反応する~

2019年9月18日

アダム・ディール氏は2017年9月にフラタニティと呼ばれる男性の大学生社交クラブの会員の結婚式の準備をしていましたが、数週間前にぴったり合っていたタキシードがぶかぶかになり身体が「服のなかで泳いでいる」ほど痩せてきたことに気付きました。

オハイオ州メイフィールドハイツの34歳の上級会計士は、当時あまり痩せてきたことについて深く考えていませんでした。 「私は週6日運動していましたし、ダイエットもしていて、積極的に体重を減らそうとしていました。ですから痩せてきたことについては、私のダイエットが完璧に機能しているのだという印象でした!」しかし、ディール氏の妻アマンダさんは心配して、医者に診てもらうべきだと考えていました。

ディール氏の担当医と彼の父(医師)も、胆嚢に問題があるのではと疑っていました。そこで、彼は胆嚢を調べるために超音波検査を受けました。検査は肝臓に異常があることを示しました。フォローアップのCTスキャンでは、膵臓と肝臓に影がみつかり、生検によりさらに衝撃的なステージ4の膵臓がんと診断されたのでした。腫瘍医はディール氏に「身辺整理をしておいたほうがいい」と言いました。彼は心臓が止まったかと思いました。この10日間で、胆嚢が切除されるくらいのことから、末期の疾患が診断されるとは思いもしませんでした。膵臓がんと診断され、彼の心は折れてしまいました。

■妻、子供と休暇をとる

30代のディール氏には多くの戦いが待っていました。ディール家はジョージア州のタイビー島で休暇を取ることにしました。新しく両親となつた「妻と私は、里親制度により男の子を二人養子にしたばかりでした。」幼い子供たちは、家の前にあるいくつかの隣人の家に出入りして遊んでいました。「私たちが望んだのは、可能な限り最高の人生をこの子供たちに与えることです。彼らには、安全でどこにも行かなくていいことを知ってほしかった。私は自分の力で全力を尽くして、この子供のために強くなり続け、子供たちと妻には、そこに居続けられることを約束しました。」

ディール氏の診断後、多くの人が彼にインターネットから離れるよう警告しました。彼は彼らのアドバイスに耳を傾けましたが、妻のアマンダさんは、オンラインで信頼できる有益な情報を調べなければならないと確信していました。「妻のアマンダが、膵臓がんアクションネットワーク(PanCAN)のWebサイトと偶然出会い、調査を開始しました」とディール氏は述べています。 「妻はPanCAN本部に連絡し、貴重な情報とともに冊子などのパケットがPanCANから送られてきました。」

■希望を感じたのはこれが初めてでした

この病気はディール氏の家族にとって新しい領域であったため、できるだけ多くのガイダンスが必要でした。クリーブランドクリニックにいる父親の同僚から始めて、ディール氏は意思決定プロセスを支援できる専門家チームを作成しました。

ディール氏は当初、併用化学療法で治療を始め、腫瘍の特徴をよりよく理解するために可能な限りのがんの遺伝子プロファイリング検査を受けました。細胞内のDNAとタンパク質の中間であるRNAの詳細な分析は、NRG1と呼ばれる融合遺伝子の存在を明らかにしました。

「NRG1融合遺伝子は乳がんと肺がんではより一般的ですが、膵臓がんでは非常にまれです」とディール氏は説明します。 「幸いなことに、MCLA-128と呼ばれる比較的新しい分子標的薬が、この特定の融合遺伝子を有する乳がんと肺がんの患者を対象とした臨床試験でテストされていました。」 2019年3月、ディール氏はこのMCLA-128の服用を開始しました。それ以来、彼の腫瘍は縮小し、CA19-9バイオマーカーは劇的に低下しました。この病気と診断された他の人にどのようなにアドバイスしますかと尋ねられたとき、ディール氏は「その瞬間を大切にし、人生を生きることを忘れないで」と話ました。

■PanCAN本部Patient Centralに相談する

ディール氏は、診断から治療の決定に至るまで、正確な情報をもとにゲノム医療まで正しい道をたどることができました。そこにはがん細胞の分子プロファイリング検査、分子標的薬を使った治療と臨床試験など、膵臓がんのゲノム医療についてのPanCAN本部の Patient Centralのサポートがありました。

(編集注:このサバイバーストーリーで言及されている臨床試験を含む治療は、すべての患者に利用できない場合があります。医師は、がんの病期と種類、患者の全体的な健康状態など、治療を決定する際に多くのことを考慮します。個別の治療オプションについては、担当医に相談してください。また、ゲノム医療については、PanCAN本部のPatient Centralにお問い合わせください。(英語対応のみ))。

■MCLA-128について

    MCLA-128は、オランダの メラス(Merus) 社が開発したヒト上皮成長因子受容体2(HER2; EGFR2、ERBB2)およびヒト上皮成長因子受容体3(HER3; ErbB3)に対する抗体依存性細胞傷害性(ADCC)が強化された完全長IgG1二重特異性抗体です。二重特異性抗体とは、2つの異なる分子に同時に結合する抗体で、Biclonics®とも呼ばれます。静脈内投与すると、二重特異性抗体はHER2にドッキングし、HER3に結合することにより腫瘍細胞のヘレグリン刺激による増殖をブロックします。 HER3依存性シグナル伝達の阻害に加えて、MCLA-128によるHER2とHER3の同時ターゲティングは、HER2とHER3のヘレグリン媒介二量体化によって駆動される一般的な耐性メカニズムを克服する可能性があります。 MCLA-128は、二重特異性抗体でコーティングされた腫瘍細胞にナチュラルキラー(NK)細胞を補充することにより、腫瘍細胞を除去することが期待されています。チェックポイント阻害薬オプチーボを開発した小野薬品工業は、ヒト二重特異性抗体を創製するメラス社独自の技術プラットフォームを用いた創薬提携契約をメラス社と2018年に結んでいます。

 

編集注:
※米国パンキャン本部の電話相談(英語): +1-310-725-0025 
※パンキャンジャパンの電話相談(日本語):03-3221-1421

(Source:Survivor Story-Pancreatic Cancer Action Network)

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<免責事項>この医療記事は、サバイバーの経験を紹介する目的で書かれています。特定の治療法や薬の使用を推奨するものではありません。ご自身の病状については、担当医とよく話し合ってください。このウェブサイトの情報を利用して生じた結果についてPanCANJapanは一切責任を負うことができませんのでご了承ください。

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