Dr Aniban Maitra PanCAN Small

PanCANマイトラ先生が選らぶ膵癌治療を変えた試験:その2 NAPOLI試験(オニバイド 本邦未承認

2020年1月3日

過去20年間、膵臓がん患者を対象として35の薬剤の組み合わせた39の第三相試験が世界で行われました。その結果、膵臓がん治療を大きく変えた試験があります。ここではその膵臓がんの治療を変えた重要な試験を紹介します。それがNAPOLI試験です。それまでは一次治療の試験が複数行われてきましたが、これは膵臓がんで初めて2次治療を生み出した試験です。

2015年10月に米国食品医薬品局(FDA)により膵臓がんの治療で承認されたのが「リポソームイリノテカン(商品名オニバイド・本邦未承認)」です。これは、5-フルオロウラシルおよびロイコボリン(5-FU / LV)との併用療法として、以前にゲムシタビンをベースとした治療をうけた転移性膵腺がん(mPDAC)の患者の二次治療として承認されました。

この承認は、14か国の76の施設で行われた、グローバルな第三相試験の結果でした。ゲムシタビンベースの治療で以前に治療された転移性膵管腺癌の患者は、3つのアームに均等に分けられました。第1群がナノリポソームイリノテカン単剤療法(3週間ごとに120mg / m 2、 100 mg / m 2のイリノテカン塩基)、第2群はフルオロウラシルとロイコボリン、 第3群がフルオロウラシルとロイコボリンを含むナノリポソームイリノテカン(80 mg / m 2、イリノテカンベースに相当)でした(1:1:1)。

<NAPOLI試験のデザイン>

第1群 ナノリポソームイリノテカン単剤療法

第2群 5フルオロウラシルとロイコボリン療法

第3群 ナノリポソームイリノテカン+5フルオロウラシル/ロイコボリン併用療法

NAPOLI trial 2

ランダム化は、ベースラインのアルブミン、カルノフスキーのパフォーマンスステータス、および民族的起源によって層別化されました。治療は、疾患の進行または耐えられない毒性効果が出現するまで続けられました。主要評価項目は、治療意図集団(ITT)で評価された全生存期間でした。

■結果

グローバルなNAPOLI-1試験により、2012年1月11日から2013年9月11日までに、417人の患者が3つのグループに割り当てられ、その結果、第3群のリポソームイリノテカン+5-フルオロウラシルおよびロイコボリン群において全生存期間中央値が有意に改善されたことがわかりました(ハザード比[HR]、0.67)。この群の全生存期間中央値6か月(95%CI 4.8-8.8)は、第2群の5-フルオロウラシル/ロイコボリンの4.2か月(3.3-5.3)と比較して有意に延長していました。第1群のナノリポソームイリノテカン単剤療法と第2群の5-フルオロウラシルおよびロイコボリンの間では差はありませんでした(4.9ヶ月[4.2–5.6]対4.2ヶ月[3.6–4.9]; 99、0.77–1.28; p = 0.94)。

第3群のナノリポソームイリノテカン+5フルオロウラシル/ロイコボリンを割り当てられた117人の患者で最も頻繁に発生したグレード3または4の有害事象は、好中球減少症(32 [27%])、下痢(15 [13%])、嘔吐(13 [11%]) 、疲労(16 [14%])でした。

長期生存に関連するベースラインの特徴を分析したところ、カルノフスキーのパフォーマンスステータスが90以上、年齢が65歳以下、CA19-9レベルが低い、好中球対リンパ球比が5以下、肝転移なし、などが指摘されました。新しい安全性の懸念は検出されませんでした。

NAPOLI trial

■結論

ナノリポソームイリノテカン+5フルオロウラシル/ロイコボリンの利点は、長期間のフォローアップにわたってその効果が維持されたこと、また、1年以上の生存の予後マーカーが特定されたことです。フルオロウラシルおよびロイコボリンと組み合わせたナノリポソームイリノテカンは、以前にゲムシタビンベースの治療を受けた転移性膵管腺がん患者の管理可能な安全性プロファイルのもとで、生存期間を延長します。この治療は、膵臓がん患者の新しい治療オプションを表します。

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編集注:2019年10月8日 日本セルヴィエが国内で承認申請中の抗悪性腫瘍剤イリノテカン塩酸塩水和物リポソーム製剤(海外製品名「オニバイド」)について、ヤクルト本社が国内で独占的にプロモーション活動を行う権利を得たと発表した。ヤクルト本社は、膵臓がんの標準療法であるフォルフィリノックスに使われているオキサリプラチン(商品名エルプラット)とイリノテカン(商品名カンプト)を販売している。

https://www.yakult.co.jp/news/article.php?num=1313

Reference:

1.The Lancet – Nanoliposomal irinotecan with fluorouracil and folinic acid in metastatic pancreatic cancer after previous gemcitabine-based therapy (NAPOLI-1): a global, randomised, open-label, phase 3 trial

Wang-Gillam A1Li CP2Bodoky G3Dean A4Shan YS5Jameson G6Macarulla T7Lee KH8Cunningham D9Blanc JF10Hubner RA11Chiu CF12Schwartsmann G13Siveke JT14Braiteh F15Moyo V16Belanger B16Dhindsa N16Bayever E16Von Hoff DD6Chen LT17NAPOLI-1 Study Group.

Lancet. 2016 Feb 6;387(10018):545-557. doi: 10.1016/S0140-6736(15)00986-1. Epub 2015 Nov 29.

2.Nanoliposomal irinotecan with fluorouracil for the treatment of advanced pancreatic cancer, a single institution experience. HGlassman DC1, Palmaira RL1, Covington CM1, Desai AM1, Ku GY1, Li J1, Harding JJ1, Varghese AM1, O'Reilly EM1, Yu K2,3. BMC Cancer. 2018 Jun 27;18(1):693. doi: 10.1186/s12885-018-4605-1.

 

 

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