2019年4月13日『[報告] 千葉支部 「パープルリボン医療セミナー2019」を開催しました』
『[報告] 4/13パンキャンジャパン千葉支部 「パープルリボン医療セミナー2019」を開催いたしました』
公益財団法人テルモ生命科学芸術財団「2018年度医療・健康向上貢献助成事業」
パープルリボンセミナーin千葉2019
千葉県がんセンター様との共催で、パンキャン千葉支部の初めてのセミナーを4月13日(土)、千葉県教育会館にて開催いたしました。ご参加いただきましたたくさんの皆様、ありがとうございました。
今回のセミナーは、日々前進する3大療法をはじめ、重粒子線療法、集学的治療やゲノム医療等について広い範囲について、講師の先生方が工夫を凝らしてくださり、大変わかりやすくご講演いただきました。開会挨拶をいただいました千葉県がんセンターの山口武人病院長、ご登壇いただきました先生方、司会の石井 浩先生、またボランティアで会をサポートくださいました皆様、ありがとうございました。
パンキャン千葉支部は、千葉県内で長く患者支援活動や、市・県の委員等でキャリアのある金井弘子さんが支部長で2018年に設立されました。今後もサロン・勉強会、セミナー等を進めてまいります。引き続きご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
海外ニュース:免疫療法のバイオマーカー腫瘍遺伝子変異量(TMB)の開発:クリニックへの有用性
Ann Oncol. 2019 Jan 1;30(1):44-56. doi: 10.1093/annonc/mdy495.
免疫療法のバイオマーカー腫瘍遺伝子変異量(TMB)の開発:クリニックへの有用性
著者:Chan TA Yarchoan M, Jaffee E, Swanton C, Quezada SA, Stenzinger A, Peters S.
2019年1月1日
2018年12月に承認となった遺伝子パネル検査には、FoundationOne CDxとOnco Guide NCC オンコパネルシステムの2種類がありますが、これらは免疫療法のバイオカーカーとなる腫瘍遺伝子変異量(TMB)を検査します。ここに紹介される文献は、このTMBの現状と課題について述べています。
背景:
抗プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)、抗プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)、および/または抗細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質などの薬剤による免疫チェックポイント遮断(ICB)による治療(CTLA-4)は、印象的な奏効率および永続的な疾患寛解をもたらし得るが、癌を有する患者のサブセットにおいてのみである。 PD − L1の発現は、ICBに対する応答について患者を選択する際の有用性を実証しており、そして患者選択のための重要なバイオマーカーであることが証明されている。腫瘍遺伝子変異量(TMB)は潜在的なバイオマーカーとして登場しています。ただし、解釈と文脈化の洗練が必要です。
国内ニュース:第1回 希少がん患者サミット開催
第1回 希少がん患者サミット開催
診療ガイドラインに患者の参画を訴える
著者 小崎丈太郎
2019年4月27日
一般社団法人日本希少がん患者会ネットワーク(RCJ)は2019年4月27日、国立がん研究センター築地キャンパス新研究棟大会議室を会場に「第1回希少がん患者サミット~これまでの希少がん、これからの希少がん~」を開催した(共催、国立がん研究センター希少がんセンター)。5大がんに比べて、治療技術の開発や診療体制の整備が遅れている希少がん医療の底上げをどのように図るべきか。専門家と希少がん患者やその家族とが協議した。
海外ニュース:米国メイヨークリニックは、進行膵がん患者が寿命を延ばす術前治療の3つの要因を発見
海外ニュース:米国メイヨークリニックは、進行膵がん患者が寿命を延ばす術前治療の3つの要因を発見
2019年4月2日
海外の記事から。メイヨークリニックは「USニュース&ワールド・レポート誌(U.S.News & World Report)」の病院のランキングで毎年トップクラス入っている世界的に著名な米国有数の総合病院です。今月、進行膵臓がん患者の生存率を延ばす治療に関連する「3つの要素」を発表し、米国でもニュースになりました。以下に翻訳を紹介いたしますので、ご興味のある方はご参照ください。
国内ニュース:MR画像誘導放射線治療装置「メリディアン」 ~MRI利用で高線量を照射する~
膵臓がん治療の新潮流
第1回 MR画像誘導放射線治療装置「メリディアン」 ~MRI利用で高線量を照射する~
MRIと照射装置を一体化させた、新しい放射線治療装置メリディアンの利用が始まっています。これまでの放射線照射の弱点だった、臓器の動きにも対応できる、新しい治療装置です。がんに強い放射線を当てることができる一方、正常組織への照射をきわめて低く抑えることができます。2年前から運用し、膵臓がんを治療している国立がん研究センター中央病院放射線治療科の伊丹純先生に伺ったお話をもとに、紹介いたします。
著者:小崎丈太郎、パンキャンジャパン理事
監修:国立がん研究センター中央病院 放射線治療科長・伊丹純先生
AACR:オフラベル医薬品(適応外薬)の使用について
AACR:米国のオフラベル医薬品(適応外薬)の使用について
~ゲノム難民をつくらないために、オフラベル医薬品の使用を日本でも進めよう~
米国では、医師は、ある目的で承認された薬を別の適応外目的のために使用することが法的に許可されています。しかし、分子標的薬を使用した治療法と免疫療法の併用療法は、適応外薬の選択肢をナビゲートするための新たな課題を生み出しています。
(編集注:日本では適応外薬の使用は認められていないため、ゲノム検査を受けて判明したアクショナブルな遺伝子変異とその治療薬が適応外である可能性は高く、医師は使えないために患者に使えるお薬がない伝えることになります。その時点で、患者はゲノム難民になります。従って、ゲノム医療がこれから進んでいくと大量にゲノム難民が発生することが危惧されています。それでは「ゲノム難民」をつくらないためにはどうしたらよいのでしょうか。そのためには、いま、患者、医療者、製薬企業、行政などがWin-Winとなるような、オフラベル医薬品(適応外薬)が一定の条件下で使用できる制度の構築が求められています)
著者:ケイト・ヤンデル
2013年11月に、37歳のトリ・トマリアさん(Tori Tamalia)は、ステージIVの非小細胞肺がん(NSCLC)と告知されました。肺がんを治療するために新しい処方箋が与えられたとき、彼女はそれが日常的に処方される薬だろうと考えていましたが、薬剤師から彼女の健康保険会社が処方箋の支払いを拒否したため、この医薬品を使うには事前承認を取得することが必要であると伝えられました。
海外ニュース:すべての膵臓癌患者に遺伝子検査を
海外ニュース:すべての膵臓癌患者に遺伝子検査を
著者:グロリア・ピーターソン、膵臓癌研究者、メイヨークリニック
2019年2月4日
研究者が膵臓癌に関連する可能性のある遺伝子をどのようにして特定するか疑問に思ったことがあるなら、これを知ってください。「それは壁にむかってスパゲティを投げて、壁にくっつくかを見るのとはわけが違います」と笑うのはミネソタ州ロチェスターのメイヨークリニックで疫学教授をするグロリア・ピーターセン博士です。「そうではなく、それは洞察に富んだ複雑なプロセスであり、技術の進歩と基礎科学の間の共生関係です」とピーターセン博士は説明します。
最近Journal of the American Medical Association(JAMA)に発表された、膵臓癌につながる可能性のある6つの遺伝子を同定する遺伝子研究は、患者だけでなく彼らの家族にも洞察と利益をもたらすかもしれません。この研究は、他の研究とともに、2つの著名な癌研究施設による、すべての膵臓癌患者に対する遺伝子検査の検討、および遺伝子変異が発見された場合にはその家族の検査も検討することを支持しました。ピーターセン氏は、「私たちの仕事から分かるのは、家族歴のある患者だけに助言を限定するのではなく、いまは、より多くの人々に知らせることができるということです」と語っています。ピーターセン氏は、この研究の主な著者であり、Fergus J. Couch博士はシニアオーサーです。