海外ニュース:免疫療法の研究効率を高めるプラットフォーム試験
海外ニュース:免疫療法の研究効率を高めるプラットフォーム試験
2024年3月6日
著者:エリザベス・ジャフィー博士
癌治療における次の大きな出来事について語られるとき、免疫療法は必ずリストのトップに挙げられる。
何年にもわたる限定的な成功の後、研究者たちは現在、一部の患者グループにとって最も有益と思われる免疫療法に磨きをかける態勢を整えている。例えば、免疫療法のひとつであるがんワクチンと他の免疫療法を組み合わせることで、免疫系をより活性化させ、がん細胞を認識・死滅させることができる。
その一例が、ジョンズ・ホプキンス・シドニー・キンメル癌センター、ブルームバーグ〜キンメル癌免疫療法研究所、ジョンズ・ホプキンス大学医学部(メリーランド州ボルチモア)の研究者が主導した研究である。この研究では、手術可能な膵臓癌患者を3つの免疫療法アプローチで治療した。
使用されたのは、膵癌ワクチンGVAX、免疫チェックポイント治療薬ニボルマブ、抗CD137アゴニスト抗体治療薬ウレルマブの3剤である。2023年6月にNature Communications誌に発表されたこの研究の目的は、この併用療法が腫瘍内のがんと闘うT細胞の数を増加させる上で安全で有効であるかどうか、また手術の2週間前に投与した場合に有効であるかどうかを調べることであった。この研究は、膵臓患者の手術前後の免疫療法治療を研究するために2016年に開始された進行中のプラットフォーム試験の最新版である。