5/29 厚労省へ「膵臓がんに対するNALIRIFOXの早期承認に関する要望書」を提出

[報告] 5/29 厚労省へ「膵臓がんに対するNALIRIFOXの早期承認に関する要望書」を提出
 
2023年5月29日に、膵臓(すいぞう)がん治療法に関する要望書を、厚労省に提出いたしました。
 
画像は、要望書をお受け取りいただきました 厚労省 医薬品審査管理課長の 吉田易範様(右)と パンキャンジャパン 眞島理事長(左)です。
2023 5 28 MHLW Nalirifox
 
NALIRIFOX(ナリリフォックス)とは、聞きなれない言葉ですが、膵臓がんの4剤併用の治療法で、併用するのは 「ナノリポソーム型イリノテカン(=オニバイド)+フルオロウラシル(5-FU)+ロイコボリン+オキサリプラチン」の4つです。 (同じく膵臓がんの4剤併用療法に FOLFIRINOX (フォルフィリノックス)がありますが、 FOLFIRINOX の 「イリノテカンをオニバイド(=改良型イリノテカン) に変えた4剤併用」と覚えていただくとわかりやすいかもしれません。)

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国内ニュース:日本の深刻化するドラッグロス問題

AcceleratedDrugLaginJapan

■日本の深刻化するドラッグロス問題

日本ではドラッグロス問題が深刻化しつつあります。日本で承認販売される新薬は2015年当時は世界の半分。しかし、その割合は年々減少してきており、2011年には51%あった新薬の割合が2020年には43%と世界の半数以下になってきました。また、上市されるスピードも低下してきています。現在では米国で上市される医薬品の半数程度しか日本では上市されません。これは日本への上市が遅れる「ドラッグラグ問題」よりもはるかに深刻な「ドラッグロス問題」です。

編集注:ドラッグラグとは米国FDA承認より遅れて新薬が日本で承認されることを指す。ドラッグロスとは新薬が日本では上市されない現象。国際共同治験がオーファンドラッグ制度が使いづらい日本を避けて、韓国、台湾、中国へいってしまうジャパンパッシングもひとつの要因とされている。

米国では世界で販売される新薬の約84%が上市されると言われています。しかし、米国の患者は新薬が使えても日本の患者は使えないという「ドラッグラグ・ドラッグロス」の問題については、日本の膵臓がん患者・家族の間ではあまり知られていません。ここではその現状と課題について説明します。

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国内ニュース:神経内分泌腫瘍に対するPRRT療法のルタテラ発売開始!

Lutethera Lu177

国内ニュース:神経内分泌腫瘍に対するPRRT療法のルタテラ発売開始!

2021年08月31日

本日8月31日、富士フイルム富山化学からルタテラ発売のプレスリリースがありました。
長い間、海外にこの治療を求めてスイス、ドイツなどに渡航されていた患者さんが多くおられましたが、
ようやく国内で保険診療としてペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)が開始されることとなりました。

 

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ESMOニュース:EMAは乳がん、非小細胞肺がんにアブラキサン後発品のパゼニール(Pazenir)承認

Pazenir Generic Abraxane

ESMOニュース:欧州医薬品庁(EMA)は転移性乳がんおよび非小細胞肺がんのためのパゼニール(Pazenir)承認
パゼニールは、2008年からEUで認可されているアブラキサンのジェネリック医薬品です。

2019年3月6日

2019年2月28日、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)は肯定的な意見を採択し、転移性乳がんおよび非小細胞肺がんの治療を目的とした医薬品パゼニール(Pazenir)の販売承認の付与を推奨しました。

この医薬品の申請者はTevaB.V社です。

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政策提言:「アブラキサン供給停止に関する要望書」を提出

政策提言:「アブラキサン供給停止に関する要望書」を提出  2021年8月26日 本日、「アブラキサン供給停止に関する要望書」を大鵬薬品工業株式会社に提出しました。 アブラキサンのような膵臓がん患者にとってのエッセンシャルメディスンが 海外の工場停止のために国内で供給ができなくなった場合、治療継続中の膵臓がん患者さんだけでなく、アブラキサンを使っている肺がん、胃がん、乳がん患者さん、さらに多くの医療関係者にも影響が及ぶ大きな社会問題となります。本日、NHKニュースもこの件について報道していますが、特に影響を受けるのがパクリタキセルという代替品のない膵臓がん患者さんです。予後の厳しい進行性膵臓がん患者さんは、ファーストライン治療薬としてアブラキサンを使っているため、供給停止の影響で治療が継続できなくなることは、生命損失の可能性もある社会倫理的な大問題です。下記の要望書に記載されている通り、患者、家族の不安を取り除き、治療継続に支障が生じないように速やかに実効性のある対応を要望しまました。 製薬企業としては、このような大勢のがん患者さんの命をあずかるエセンシャルメディシンに欠品が起こらないよう、その対応策を十分準備しておくことが必要です。また、今後、同じような事態が製造工場で発生したとしても、製薬企業の迅速な対応により供給停止とならないよう対策をとっておくことが大切です。今回のように、海外に複数の工場がある場合には、他の工場から同じ効能効果をもつ薬剤を緊急輸入し、販売供給できるような体制作りをしておくことは重要なリスクマネジメントの対策と考えます。 他の工場からのアブラキサンの緊急輸入の実施も含めて、大鵬薬品工業株式会社に下記の通り、要望させていただきました。   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2021年8月26日 「アブラキサン点滴静注用100㎎」供給停止に関する要望 大鵬薬品工業 代表取締役社長小林 将之 殿  いつも膵臓がん患者に対してご高配を賜り感謝申し上げます。  さてこのたびの「アブラキサン点滴静注用100㎎供給停止」問題に鑑み、膵臓がん患者支援を本務とする我々NPO法人パンキャンジャパンでは以下の3点を要望する次第です。速やかにご検討、実行いただけますようお願い申し上げます。 1) 安定供給の早急な復活を内容とする緊急ステートメントを患者向けに発出すること。2) 今般の「アブラキサン点滴静注用100㎎」の供給停止の原因となった米国アリゾナ州フェニックス工場とは別のイリノイ州メルローズパーク工場で製造される「アブラキサン点滴静注用100㎎」を日本市場向けに提供するよう米ブリストル・マイヤーズ スクイブ(アブラキシスサイエンス社)に働きかけ、緊急輸入すること。3) フィニックス工場にて同様な問題が発生しても、2度と供給停止が起こらないようリスクマネジメントの対策をたて患者向けに発出すること。  言うまでもなく「アブラキサン点滴静注用100㎎」はわが国では膵臓がん、胃がん、乳がん、肺がんの治療に用いられていますが、その65%は膵臓がんの治療に用いられています。8月26日に発出されたがん関連主要6学会の「合同声明」が言及しているように、胃がん、乳がん、肺がんではパクリタキセルに切り替えるなどの処置をとることが可能ですが、膵臓がんでは代替する治療薬がありません。つまり、進行性膵臓がんを含む多くの膵臓がん患者が「アブラキサン点滴静注用100㎎」の使用によって生存を確保している現実があります。今般の「アブラキサン点滴静注用100㎎供給停止」問題は患者、家族にとって寝耳に水の事態であり、大きな不安と動揺を与えております。患者、家族の不安を取り除き、治療継続に支障が生じないように速やかに実効性のある対応を要望する次第です。                        NPO法人パンキャンジャパン                       理事長 眞島喜幸

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政策提言:膵臓がん「がん遺伝子パネル検査」の 保険償還制限見直しに関する要望書を提出

NAD MHLW0524

2021年5月24日

厚生労働省17階にある保険局医療課を訪れ、「膵臓がんのがん遺伝子パネル検査の保険償還制限見直しに関する要望書」を手渡しました。丁寧に対応してくださったのは、原澤朋史・課長補佐(写真右)、岡嶋良典・主査と伊藤宗洋・先進・再生医療迅速評価専門官の3名の医系技官でした。この要望書は、予後の厳しい進行性膵癌患者さんが、米国のように膵臓がんと診断された時にがん遺伝子パネル検査が受けられるように保険償還制限の見直しを求めたものです。

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祝 6月23日PRRT療法ルタテラが国内承認される

Lutathera approved

祝 6月23日 PRRT療法ルタテラが国内承認される

本日、富士フイルム富山化学株式会社は、放射性医薬品「ルタテラ®静注」(以下、「ルタテラ」)について、「ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍」*1を適応症として製造販売承認を国内で取得したと報告しました。

「ルタテラ」は、ペプチド受容体放射性核種療法(Peptide Receptor Radionuclide Therapy; PRRT)に用いられる医薬品です。今回、「ルタテラ」は、「ペプチド受容体放射性核種療法剤」として国内で初めて承認されました。

この医薬品に関して、2010年ごろからスイスやドイツでPRRT療法による治療を受けたNET患者さんの体験談が契機となり、PRRT療法についての情報が拡散し始めました。しかし、同時に海外まで行かなければ受けられないという制限を解除してほしい、国内でもPRRTで治療を受けたいという多数の要望を受け、パンキャンジャパンでは署名を集めて「ルタテラの早期承認に関する要望書」を2015年5月に塩崎厚生労働大臣に提出させていただきました。それから6年、本当に長い期間でしたが関係者の皆様のご尽力のお陰でやっと実現できた承認です。関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

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政策提言:ゲノム医療を膵臓がん患者に届けるための要望書(2021年度版)

要望】 米国との格差(アクセスラグ)を解消し、膵臓がんの既承認薬が使用できるよう、診断時に「がん遺伝子パネル検査」が受けられる体制の実現を強く要望します。

 

■要望の背景

・診断時のがん遺伝子パネル検査について

米国では膵臓がん患者は、診断時にがん遺伝子パネル検査を受け、検出されたがん遺伝子変異にマッチした治療を受けることができますそのようなゲノム医療は、標準治療を受けた場合と比較して治療効果(奏効率)がとても優れていて(HR=0.34、しかも費用対効果も高い(ICER=$37,365/QALY5 ことがわかりました。そのような背景から(標準治療よりも治療効果が優れていて、しかも費用対効果の高い)ゲノム医療を推進するために米国の膵臓がん診療ガイドラインである、NCCNガイドライン7が2018年に改訂され、それ以降、米国の膵臓がん患者全員に診断時に生殖細胞系遺伝子検査(Germline Test)、また手術が不適応な進行性膵臓がん患者には「がん遺伝子パネル検査」(Somatic Test)が推奨されました。それにより、膵臓がん患者の約26.2%にアクショナブルな遺伝子変異がみつかり、遺伝子変異に対応するさまざまな薬剤が膵臓がんのゲノム医療では使われています1。 

日本でも、膵臓がんのゲノム医療で承認されている薬剤は米国同様に増えてきていますが、問題は、診断時に「がん遺伝子パネル検査」が受けられないためにそれらの新しく承認された薬剤が治療の選択肢として考慮されないという「アクセスラグ問題」が膵臓がん患者の前にたちはだかっていることです。これを解決しないことには米国の膵臓がん患者のようにゲノム医療が、日本の膵臓がん患者に届くことは難しい状況です。

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政策提言:核医学診療推進国民会議の創設

政策提言:核医学診療推進国民会議の創設
National Conference for Nuclear Medicine Theranostics

 

2016年12月1日

 

■核医学診療推進国民会議への参画理由
膵臓がんなどの難治がん、膵神経内分泌腫瘍などの希少がん患者さんとそのご家族の希望は、正確な診断法の確立と奏功する治療法の開発です。治療能力(Therapeutics)と診断能力(Diagnostics)の両方を兼ね備えた核医学診療(Theranostics)は、近年、欧米で実現された標的医療です。そのひとつが膵神経内分泌腫瘍(PNET)患者が求めるペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)です。腫瘍細胞に発現する受容体に特定の物質が結びつく性質を利用して、ルテチウムLu177などの核物質からの放射線で治療します。神経内分泌腫瘍の治療として広く行われていますが、日本では受けることができませんでした。

 

世界で唯一原爆を体験した日本では核物質が厳しく管理されており、医療分野でも放射線障害防止法、医療法・薬機法などにより核物質の利用が規制され、一部は二重規制となっています。したがって、欧米の標準療法である核医薬品を用いた、より良い医療を実現するためには、核医学が直面しているさまざまな課題を解決する必要があります。そのためには、核医学に関する国民の理解を進める必要もあります。一般市民、国会議員や政府関係者に核医学に関する正しい情報を伝え、さらに、核医薬品の規制に関連する法律をこの時代に相応しいものに改善するために規制改革も必要です。核医学を取り巻く課題は、法的規制、RI管理、国際的な事情など、多方面にわたります。こうした課題解決を進めていくために、日本核医学会、日本アイソトープ協会、がんサポートコミュニティーとパンキャンジャパンは、日本初となる市民参加型アドボカシーをモデルとした「核医学診療推進国民会議」を2016年12月1日に設立しました。

 

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政策提言:「難治がんに対するRI内用療法の国内導入に関する要望書」を提出

政策提言:「難治がんに対するRI内用療法の国内導入に関する要望書」を提出     (2017年1月6日/厚生労働省にて撮影)   「難治がんに対するRI内用療法の国内導入に関する要望書」を厚生労働省医薬・生活衛生局長、厚生労働省医政局長、及び原子力規制庁長官官房放射線放射線防護グループ放射線対策・保障措置課長宛に提出しました。写真左から国立がん研究センター先端医療開発センター機能診断開発分野長・藤井博史、金沢大学医薬保健研究域医学系核医学教授・絹谷清剛、地域医療計画課長補佐・伊中愛貴氏、がん・疾病対策課長補佐・渡部直史氏、がんサポートコミュニティー事務局長・大井賢一、パンキャンジャパン理事長・眞島喜幸   この背景には、海外の臨床試験で高い奏効率をみせたPRRT療法の国内導入に関しては、様々な課題があることから、未承認の核医薬品を用いた治療については、国内ではできない状態にあります。そのため、悪性の膵神経内分泌腫瘍の治療法がなくなった患者は、著効するPRRT療法を求めて、スイス・ドイツに渡航するケースが後をたたない、ゆゆしき事態になっています。そのため、パンキャンでは、日本核医学会、NPO法人がんサポートコミュニティとともに、国内における新規核医薬品による治療法導入を加速化する活動を推進しています。    

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