医療ニュース:iPS細胞を有償で提供 7月から、京大が企業に

医療ニュース ■iPS細胞を有償で提供 7月から、京大が企業に 京都大は30日、山中伸弥(やまなか・しんや)教授が開発した新型万能細胞「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」の再生医療や新薬開発への実用化を促進するため、企業にiPS細胞を有償で提供する事業を、7月7日から始めると発表した。 ほかの企業に再分配しないことなどを定めた契約を個別に締結。料金はマウスのiPS細胞で約100万円、人のiPS細胞は200万―300万円。人のiPS細胞を扱う企業研究者には、京大のiPS細胞研究センターで2-5日間、技術指導する。 今年4月、京大で開かれた「産業応用懇話会」に参加した複数の製薬会社が提供を求めていた。 大学や研究機関向けには、京大と理化学研究所のバイオリソースセンターが3月から提供を始めている。 (情報元:共同通信社 2008年7月2日) https://www.cabrain.net/news/article/newsId/16890.html ■WORD解説■ 「iPS細胞」とは iPS細胞は、induced pluripotent stem cell(人工多能性幹(かん)細胞)のこと。(幹細胞とは、さまざまな形態・機能をもつ細胞に分化できる多分化能力と、細胞分裂の際に自分と全く同じ性質の細胞を生成することができる自己複製能力をもつ未分化細胞のこと。) iPS細胞とは、ヒトの皮膚の細胞に4つの遺伝子を導入して生成された、ES細胞(embryonic stem)のように分化する能力をもった細胞のことで、昨年は、山中教授によって、同様の方法でマウスの皮膚細胞からiPS細胞の生成が成功したことが発表された。このiPS細胞は、その性質から「万能細胞」と考えられている。

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医療ニュース:医師数抑制見直し定員増へ

医療ニュース ■医師数抑制見直し定員増へ 地域医療、崩壊危機に 医師不足対策Q&A 政府は各地で深刻化する医師不足の解消に向け、医師数を抑制する従来の方針を見直し、大学医学部の定員を増やす検討を始めました。 Q 医者の数は減っているの? A 現状では毎年約7700人の新たな医師が誕生しています。厚生労働省の試算によると、退職した人数などを差し引いても毎年3500―4000人のペースで医師数は増え続けています。 Q それでも足りないってこと? A 救急や産科、小児科などで医師が足りず、廃院や休診に追い込まれる「地域医療の崩壊」が全国各地で問題となっています。へき地や離島では以前から医師 確保に苦労してきましたが、最近は都市部でもそうした傾向が目立ってきました。救急搬送の受け入れを拒否される「たらい回し」も勤務医不足が主な要因とさ れています。 Q 事態が深刻化した理由は。 A 多くの医療関係者が指摘するのは、2004 年に導入された臨床研修制度の影響です。大学を卒業した医師が、症例が多く待遇も良い都市部の民間病院などを研修先に選ぶようになり「大学病院離れ」が進 みました。その結果、これまで地域医療を支えてきた大学病院からの派遣医師が減り、地方の医師不足が一気に加速したといわれています。 Q これまでの取り組みは。 A 政府も医療現場の医師不足状態を認め、07年夏には臨時医師派遣や暫定的な医学部定員増などの緊急対策を打ち出しました。ただ、地域や特定の診療科での偏在が問題であって、医師の総数については将来的に過剰となるおそれがあるとして、1982年から続く医師数抑制の方針自体は変えませんでした。 Q 今後はどう変わる。 A 政府は「医学部定員の削減に取り組む」と明記した97年の閣議決定を事実上撤回し、定員を増やす方針を決めました。しかし、医学部1年生が教育、研修を経て医師として活躍するには約10年を要するので、医師不足への"即効薬"にはならないようです。 Q それまで医師不足は解消しないのでは。 A 短期的な対策として政府は、地方の病院を希望する研修医が増えるよう臨床研修制度を見直すとともに、宿直が多い勤務医の過酷な労働環境の改善や、女性 医師が結婚、出産後も仕事を続けられる環境整備に努める方針です。一方で患者側も、軽症なのに休日・夜間の救急外来を利用するといった人が増えていること が医療現場を疲弊させている実態を理解し、地域医療をともに支えていく意識を持つことが求められそうです。 (情報元:共同通信社 2008年7月1日) https://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=16863 ■WORD解説■ 「臨床研修制度」とは 2004 年4月1日にスタートした新たな臨床研修制度で、専門分野だけに偏らない幅広い分野の基本的臨床能力を習得することを目的として、2年間の臨床研修が義務 化された。内科・外科・救急部門など、さまざまな臨床分野での研修を実施することが必修。また、研修医の受入れサイドの施設基準(研修医の定員、指導医の 条件など)の明確化も行われている。 厚生労働省 「新たな医師臨床研修制度」のHP http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/ ■医学部定員、過去最大程度に-骨太方針08…

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医療ニュース:終末期相談支援料を一時凍結

医療ニュース ■終末期相談支援料を一時凍結 厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会は6月25日の総会で、今年4月の診療報酬改定で新設した「後期高齢者終末期相談支援料」の算定を7月 以降、当面凍結することを決めた。即日、舛添要一厚労相に答申する。総会で一時凍結を諮問した舛添厚労相は、これが政治状況を踏まえた措置であることを強 調し、中医協側の理解を求めた。厚労省によると、いったん創設された点数が中医協による検証を経ないで凍結されるのは初めて。 同支援料は、回復が見込めないと医師が判断した75歳以上の後期高齢者が対象。医師や看護師などが共同で患者や家族と終末期の診療方針を話し合い、その内 容を文書にまとめて提供した場合に、医療機関は患者一人につき200点(1点は10円)算定できる。しかし、患者に終末期の医療方針の選択を迫ることで、 それ以外の必要な医療を受けられなくなりかねないと懸念する声がある。 中医協では、こうした懸念が誤解に基づくものであるとする一方、このまま算定しても十分な効果が見込めないとして、一時凍結を了承した。今回の見直しに 伴い、7月1日以降に文書提供した患者については、同支援料を当面算定できなくなる。ただ、中医協は同支援料を算定する医療機関の文書提供の状況などを年 度内に検証。厚労省は早ければ来年度から再開したい考えだ。 舛添厚労相は、同支援料について国民への周知に注力する考えを説明した。また、後期高齢者に限らず、国民全体に終末期医療の対象を拡大する方向で検討する必要性を強調し、今後、検討の場を設ける方針を明らかにした。 (情報元:キャリアブレイン・ニュース 2008年6月25日) http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16783.html ■WORD解説■ 「終末期相談支援料」とは B018 後期高齢者終末期相談支援料 200点 注 保険医療機関の保険医が、一般的に認められている医学的知見に基づき回復を見込むことが難しいと判断した後期高齢者である患者に対して、患者の同意を得 て、看護師と共同し、患者及びその家族等とともに、終末期における診療方針等について十分に話し合い、その内容を文書等により提供した場合に、患者1人に つき1回に限り算定する。 *注:診療報酬は1点=10円の換算。200点は2000円の収入となる。 〔参照HP〕 ● 診療報酬全体はこちら⇒ 厚生労働省 「平成20年度診療報酬改定に係る通知等について」 http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/tp0305-1.html ● 終末期相談支援料 等についてはこちら⇒ 厚生労働省 「特掲診療料」…

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AACR: KRAS遺伝子の信号伝達回路に関する研究

米国癌学会(AACR)レポート: KRAS遺伝子の信号伝達回路に関する研究2008年4月15日 第99回米国癌学会(AACR)はサンディエゴコンベンションセンターにて4月12日から16日まで開催された。ポスターセッションにおいて東京女子医科大学教授 古川徹氏が発表した「KRAS遺伝子の信号伝達回路に関する研究」についてお聞きしました。- KRASという発ガン遺伝子は、膵臓がん患者の90%以上に変異がみられるため、いま一番注目されている遺伝子ということですが、その一方でKRAS経由でがん細胞の増殖を抑制することもまた難しいと言われているようですが。。。

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AACR: 膵臓がん幹細胞 - 診断と治療に果たすがん発原細胞の役割

2008米国癌学会(AACR)レポート     近年、がん幹細胞の働きに関する研究は、がん研究の展望をかえてしまった感がある。多くのがんにおいて幹細胞が潜在治療目標として提示されるようになり、今回のAACRにおいてもがん幹細胞の研究が多数発表されていた。以下、2008 AACRで発表された膵臓がん幹細胞に関する最新の研究成果を報告する。   膵臓がん幹細胞 - 診断と治療に果たすがん発原細胞の役割   ジョンホプキンス大学の研究者は、新しい標的療法の開発に繋がる可能性がある膵臓がん幹細胞の存在を確認するための新しいマーカー「アルデヒド・デヒドロゲナーゼ」を特定したと発表した。膵臓がんは非常に悪性度が高く、既存の治療に対して耐性をもつことが知られている。研究者は、化学療法に対する耐性は膵臓がん幹細胞が原因ではないかと考えている。「がん幹細胞は治療可能な目標とされてはいるが、有効な治療法の開発には、純度の高い細胞群の同定と分離が必要である」とジョンホプキンス大学の研究者Zeshaan Rasheed氏は語った。

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AACR: 膵臓がん幹細胞の発見

2007米国癌学会 (AACR): 膵臓がん幹細胞の発見 がん細胞は、正常な細胞と比較すると高い増殖能力を持ち、隣接臓器を浸潤し、離れた部位へ転移する能力も持つとされている。しかし、ヒトやマウスにがんを発生させる能力がある細胞は限られている。その能力を有する一部のがん細胞は、幹細胞の特徴である複製能力と多分化能力も備えていることから、この幹細胞のようながん細胞からがんが発現、進行するという仮説が提唱されるようになった。その後、乳がん、大腸がんを含むさまざまなタイプのがん幹細胞が発見されてきた。 2007年、ミシガン大学の研究者は、初めてヒトすい臓がん幹細胞を同定した。彼らはこの幹細胞はがんの特徴である侵攻的な転移、進行、増殖に関与していると説明した。2月1日号のCancer Researchにおいて、試験に使われた半数のマウスにおいて、ヒト膵臓がん細胞を増殖するために必要な幹細胞数が僅か100であったと報告した。この細胞は、膵臓がん幹細胞の特徴である3種類のプロテインマーカー(CD44+, CD24+, ESA+)を持たない細胞と比較し、腫瘍原性(Tumorgenicity) が100倍強いことが判明した。膵臓がん幹細胞の発見はがんの根源は幹細胞であるという仮説を強く支持するものである。

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ASCO: 2008米国臨床腫瘍学会総会 シカゴ

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2008 米国臨床腫瘍学会総会シカゴ

2008 ASCO, McCormick Place Convention Center, Chicago

 

44回米国臨床腫瘍学会(ASCO2008)は、5月30日にシカゴのマコーミッックプレイスコンベンションセンターにて開幕した。今年のテーマは、「ひとつのコミュニティ:革新的な患者ケア(One Community: Innovative Patient Care)」。すべての腫瘍学専門家が一体となって、治療結果の向上を目指し、最高品質のがん医療を確立することを共通のゴールとしている。

ASCOは、世界中から3万人以上の医療関係者が参加する、オンコロジーコミュニティにとって、世界最大の教育・科学イベントである。学会の内容は、がん患者のケアにかかわる臨床腫瘍医および他のプロフェショナルの教育プログラムの充実をはじめ、臨床腫瘍医・腫瘍研究者のサポート、がん患者への高品質ヘルスケアの提供をその中心に組まれている。

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ASCO: 米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム

2007 ASCO Gastrointestinal Cancers Symposium
2007年全米臨床腫瘍学会 消化管がんシンポジウム

オーランド市、フロリダ州にて2007年1月に開催された2007年全米臨床腫瘍学会消化管がんシンポジウムにおける「膵臓がん」のセッション内容を要約したものである。

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海外ニュース:バージニア・メーソン・プロトコール(補助療法)

  バージニア・メーソン・プロトコール(術後補助療法)     米国シアトル市バージニア・メーソン・メディカルセンターは、膵がんを切除した患者を対象にアグレッシブな補助療法を用いることにより5年生存率を向上したと発表した。  

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すい臓がんの種類(PC Type)

  ■すい臓がんの種類   「すい臓のがん」は1つの病気ではありません。 事実上、20近くの異なる腫瘍が「すい臓のがん」としてひとまとめにされています。 それぞれの腫瘍には、病理学的に異なった外観があり、ユニークな治療を必要とする腫瘍もあり、また治療後の予後も異なります。一番多く見られるのは、膵管ががん化する腺癌ですが、さまざまなタイプの「すい臓のがん」があることを理解しておくことが必要です。   すい臓には消化液としての膵液をつくる外分泌機能と、種々のホルモンを産生する内分泌機能があります。「すい臓のがん」の大部分は、外分泌機能を担う膵管の病変からくる外分泌腫瘍です。それほど症例数は多くありませんが、ホルモンを産生するランゲルハンス島細胞から発生する内分泌腫瘍もあります。このように「すい臓のがん」には悪性の膵管がん以外にも多数の性質の異なる内分泌腫瘍や良性腫瘍もあります。           <このがん情報は米国PanCANで作成されていますので、日本の状況と多少異なる点もあります。それらについては担当医にご相談下さい。PanCANJapanの責任で翻訳、提供しています。無断転載禁止>

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