海外ニュース:膵臓がん研究の未来が危機に瀕しています

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海外ニュース:膵臓がん研究の未来が危機に瀕しています

アンナ・バーケンブリット 医学博士 著者

2025年3月17日

※編集者注:「リサーチ・スポットライト」シリーズは、PanCANの最高科学・医療責任者であるアンナ・バーケンブリット医師による寄稿です。毎月、膵臓がんに関する最新のニュースと研究についての見解を共有しています。バーケンブリット医師のX(旧Twitter)やLinkedInをフォローしてください。

膵臓がん研究は、生命を救う可能性のある画期的な治療法の開発の瀬戸際にあります。これは、5年生存率がわずか13%という厳しい現実に直面している患者たちにとって、切実に必要とされる進展です。ところが現在、がん研究は危機に直面しています。これは、大統領令や議会の一連の措置により、すでに承認されていた予算が生物医学研究コミュニティに届かなくなり、今後数年での大幅な削減も懸念されているからです。この重要分野での今後の進展に対して、深刻な不安が広がっています。科学者たちが研究を進め、成果をあげるために必要な資源を確保しなければなりません。

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AACR:米国癌学会(AACR)による声明および政府によるNIHおよび米国国民への影響に関する行動要請

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米国癌学会(AACR)による声明および政府によるNIHおよび米国国民への影響に関する行動要請  

2025年2月18日

こちらをクリックして、貴方の連邦議会議員に連絡してください

米国癌研究会議(AACR)は、政府による最近の行動が米国立衛生研究所(NIH)およびその使命である、がん患者や数百万人の米国人が苦しむその他の疾患の治療を促進する救命活動に脅威を与えていることを深く憂慮しています。

NIHは数十年にわたり、画期的な治療法の発見や生存率の向上、患者の生活の質の改善につながる発見を推進し、米国の医療研究の要となってきました。先週、NIHの科学部門で献身的に働く公務員が突然かつ無差別に解雇されたこと、また、米国中の主要な研究機関やがんセンターに対する大幅な予算削減が提案されたこと、さらに、NIHがより幅広い科学コミュニティと連携して取り組む努力が妨害され、制限されている現状は、患者の治療結果の改善と命の救済に不可欠な革新や治療の進歩を妨げ、遅らせることにつながります。

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パンキャンジャパン 令和7年 新年のご挨拶(2025年)

  パンキャンジャパン 令和7年 新年のご挨拶(2025年) 新しい年を迎え、皆さまに謹んで新年のご挨拶を申し上げます。 本年2025年、パンキャンジャパンは創立20周年を迎えることとなりました。これもひとえに、長年にわたりご支援くださった皆さまのおかげです。心より感謝申し上げます。 この20年、私たちは膵臓がんの早期発見と治療法の進展を目指し活動を続けてまいりました。しかし、日本では依然として膵臓がんの治療環境には多くの課題が山積しています。米国パンキャン本部が掲げる「2030年までに膵臓がんの生存率を倍増させる」という目標を達成するためには、私たち日本も大きな役割を果たさなければなりません。 特に日本では、過去20年で新薬承認の遅れを指摘される「ドラッグ・ラグ」の問題が解消しつつある一方で、承認されるべき新薬がそもそも認可されない「ドラッグロス」の問題が顕著化しています。これにより、患者さんが治療の選択肢を得られない状況が続いています。さらに、膵臓がんのように日本人に多く、欧米人に少ないタイプのがんを治癒するためには、日本人特有の視点からの研究が欠かせません。 しかし、日本のがん研究費は国際的に見ても極めて少なく、政策の見直しが急務です。この状況を改善するために、パンキャンジャパンは政策提言活動を一層活発にし、研究環境の向上に向けた取り組みを強化してまいります。 また、膵臓がんと闘う患者さんやそのご家族を支えるために、膵臓がんサポーターの養成と増員にも力を入れていきます。サポーターは、患者さんへの情報提供や心理的支援など、さまざまな面で重要な役割を果たします。この活動を通じて、膵臓がんの診断を受けた方々が一人でも多く希望を持てるよう、全力で取り組んでまいります。 創立20周年という節目を迎える今年も、皆さまとともに歩み続けることをお約束いたします。引き続き、温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 本年が皆さまにとって、健康で希望に満ちた年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。 パンキャンジャパン 理事長 眞島喜幸   000000000000000000000000000 New Year’s Greetings from PanCAN Japan Happy New Year to all our supporters! This…

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新年のご挨拶 令和6年元旦

新年を迎えて                               令和6年元旦   親愛なる膵臓がんの医療関係者、患者と家族、支援者の皆様へ、 新年を迎えるにあたり、パンキャンジャパンの代表として、心からの挨拶と最も誠実な願いをお伝えいたします。感謝の念と揺るぎない決意を胸に、2024年を迎える準備が整いました。 昨年はコロナが明けた試練の多い一年でしたが、同時に信じられないほどの忍耐力と連帯感の年でもありました。共に、膵臓がんに苦しむ方々の緊急のニーズに注目し、私たちの膵臓がん撲滅を目指すコミュニティの取り組みは意義ある成果を上げました。 2024年には、これまで築いてきた基盤を活かし、次なる成果に向けて努力し続けることを誓います: 1. 提唱と意識向上:  膵臓がんの生存率向上を目指し、早期発見を進める医療関係者との啓発活動、質の高いケアへのアクセスの提唱を今年も続けます。2月12日の第3回家族性膵がんサミット、2月18日のパープルストライド市民セミナー、3月24日のパープルストライド東京2024など、共に最新の膵臓がん医療を啓発し、アクセスを改善し、膵臓がんの危険因子や家族歴に関する誤解を解き、がんに関するスティグマを減少させ、必要な方々に希望をもたらします。 2. 研究と革新: 2030年までに5年生存率を倍増するために、膵臓がんの研究を積極的に前進させる決意は変わりません。画期的な研究と取り組みを支援し、膵臓がんの治療法の改善と、最終的には治癒の希望をもたらすことを目指します。 3. サポートと思いやり: 患者とその家族への揺るぎないサポートを提供することに専念しています。皆様の膵臓がんに対するストーリー、強さ、そして抵抗力は、私たちを日々感銘させてくれます。誰もが孤独にこの膵臓がんに直面し立ち向かうことはありません。 4. 国際的協力: ますますつながりの深まるこの世界で、 AACR、 ESMO、 ASCO、 JPSなどを含む国際的な研究者の協力の重要性を認識しています。また、治験を進める米国パンキャン本部との連携を密にとり、WPCCなどを含む世界中の仲間と手を取り合い、知識と経験を共有しながら、国際的なスケールで膵臓がんの治癒を生み出す治療法の開発を目指します。 5. ドラッグラグ・ロスの解消: 米国で承認される新薬の半分しか承認されない日本の問題は、ますます深刻化しています。患者が必要とする新薬が日本でも使えるようにするために、厚生労働省は「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」を立ち上げました。医療関係者と共にパンキャンジャパンも検討会に参加し、いま対応策を討議しています。欧米のEBPにとり日本の難解な医薬品市場がアクセスしやすくなるよう、薬事規制などを見直し、これ以上膵臓がん患者がドラッグラグ・ロスに苦しむことのないよう、改革に取り組みます。   膵臓がんコミュニティの仲間は共に膵臓がんに苦しむ方々に希望と癒しをもたらす力を持っています。2030年には膵臓がんの5年生存率を20%にまで倍増するという私たちパンキャンの目標を可能とさせるのは、研究者の揺るぎない信念、さらに膵臓がんコミュニティの皆様のサポートと奉仕の精神です。膵臓がんと闘い、膵臓がんに勝つという、皆様のその精神と努力に対して深く感謝いたします。 新年にあたり、皆様の心に希望が満ち、喜びに触れ、あなた方の決意が揺るがないことを願っています。共に、2024年を進歩、思いやり、揺るがない決意の年にしましょう。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。   心からの感謝と温かい願いを込めて、 眞島喜幸NPO法人パンキャンジャパン 理事長  

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5/29 厚労省へ「膵臓がんに対するNALIRIFOXの早期承認に関する要望書」を提出

[報告] 5/29 厚労省へ「膵臓がんに対するNALIRIFOXの早期承認に関する要望書」を提出
 
2023年5月29日に、膵臓(すいぞう)がん治療法に関する要望書を、厚労省に提出いたしました。
 
画像は、要望書をお受け取りいただきました 厚労省 医薬品審査管理課長の 吉田易範様(右)と パンキャンジャパン 眞島理事長(左)です。
2023 5 28 MHLW Nalirifox
 
NALIRIFOX(ナリリフォックス)とは、聞きなれない言葉ですが、膵臓がんの4剤併用の治療法で、併用するのは 「ナノリポソーム型イリノテカン(=オニバイド)+フルオロウラシル(5-FU)+ロイコボリン+オキサリプラチン」の4つです。 (同じく膵臓がんの4剤併用療法に FOLFIRINOX (フォルフィリノックス)がありますが、 FOLFIRINOX の 「イリノテカンをオニバイド(=改良型イリノテカン) に変えた4剤併用」と覚えていただくとわかりやすいかもしれません。)

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国内ニュース:日本の深刻化するドラッグロス問題

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■日本の深刻化するドラッグロス問題

日本ではドラッグロス問題が深刻化しつつあります。日本で承認販売される新薬は2015年当時は世界の半分。しかし、その割合は年々減少してきており、2011年には51%あった新薬の割合が2020年には43%と世界の半数以下になってきました。また、上市されるスピードも低下してきています。現在では米国で上市される医薬品の半数程度しか日本では上市されません。これは日本への上市が遅れる「ドラッグラグ問題」よりもはるかに深刻な「ドラッグロス問題」です。

編集注:ドラッグラグとは米国FDA承認より遅れて新薬が日本で承認されることを指す。ドラッグロスとは新薬が日本では上市されない現象。国際共同治験がオーファンドラッグ制度が使いづらい日本を避けて、韓国、台湾、中国へいってしまうジャパンパッシングもひとつの要因とされている。

米国では世界で販売される新薬の約84%が上市されると言われています。しかし、米国の患者は新薬が使えても日本の患者は使えないという「ドラッグラグ・ドラッグロス」の問題については、日本の膵臓がん患者・家族の間ではあまり知られていません。ここではその現状と課題について説明します。

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「2022年膵癌診療ガイドライン(案)ーパブリックコメント募集中」』

『[本日まで]「2022年膵癌診療ガイドライン(案)ーパブリックコメント募集中」』
日本膵臓学会のお知らせから。学会では、現在作成中の「膵癌(すいがん)診療ガイドライン2022」についてパブリックコメント募集中です。締切まで残り3日ですので、ぜひ多くの方にご参加頂ければと存じます。

学会では、2006年より 膵臓(すいぞう)がんの診療ガイドラインを発刊し、約3年ごとに改訂を行っています。診療ガイドラインとは「エビデンス(科学的根拠)に基づき、最適と思われる治療法を提示するもの」で、現在 2022年版の作成が進んでいます。募集内容について以下にご案内いたしますので、膵臓がんの患者さん、ご家族、ご遺族や関係者、一般の皆様でご興味のある方はぜひご参加ください。(受付期間 2022年1月31日(月)まで)

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国内ニュース:神経内分泌腫瘍に対するPRRT療法のルタテラ発売開始!

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国内ニュース:神経内分泌腫瘍に対するPRRT療法のルタテラ発売開始!

2021年08月31日

本日8月31日、富士フイルム富山化学からルタテラ発売のプレスリリースがありました。
長い間、海外にこの治療を求めてスイス、ドイツなどに渡航されていた患者さんが多くおられましたが、
ようやく国内で保険診療としてペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)が開始されることとなりました。

 

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ESMOニュース:EMAは乳がん、非小細胞肺がんにアブラキサン後発品のパゼニール(Pazenir)承認

Pazenir Generic Abraxane

ESMOニュース:欧州医薬品庁(EMA)は転移性乳がんおよび非小細胞肺がんのためのパゼニール(Pazenir)承認
パゼニールは、2008年からEUで認可されているアブラキサンのジェネリック医薬品です。

2019年3月6日

2019年2月28日、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)は肯定的な意見を採択し、転移性乳がんおよび非小細胞肺がんの治療を目的とした医薬品パゼニール(Pazenir)の販売承認の付与を推奨しました。

この医薬品の申請者はTevaB.V社です。

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政策提言:「アブラキサン供給停止に関する要望書」を提出

政策提言:「アブラキサン供給停止に関する要望書」を提出  2021年8月26日 本日、「アブラキサン供給停止に関する要望書」を大鵬薬品工業株式会社に提出しました。 アブラキサンのような膵臓がん患者にとってのエッセンシャルメディスンが 海外の工場停止のために国内で供給ができなくなった場合、治療継続中の膵臓がん患者さんだけでなく、アブラキサンを使っている肺がん、胃がん、乳がん患者さん、さらに多くの医療関係者にも影響が及ぶ大きな社会問題となります。本日、NHKニュースもこの件について報道していますが、特に影響を受けるのがパクリタキセルという代替品のない膵臓がん患者さんです。予後の厳しい進行性膵臓がん患者さんは、ファーストライン治療薬としてアブラキサンを使っているため、供給停止の影響で治療が継続できなくなることは、生命損失の可能性もある社会倫理的な大問題です。下記の要望書に記載されている通り、患者、家族の不安を取り除き、治療継続に支障が生じないように速やかに実効性のある対応を要望しまました。 製薬企業としては、このような大勢のがん患者さんの命をあずかるエセンシャルメディシンに欠品が起こらないよう、その対応策を十分準備しておくことが必要です。また、今後、同じような事態が製造工場で発生したとしても、製薬企業の迅速な対応により供給停止とならないよう対策をとっておくことが大切です。今回のように、海外に複数の工場がある場合には、他の工場から同じ効能効果をもつ薬剤を緊急輸入し、販売供給できるような体制作りをしておくことは重要なリスクマネジメントの対策と考えます。 他の工場からのアブラキサンの緊急輸入の実施も含めて、大鵬薬品工業株式会社に下記の通り、要望させていただきました。   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2021年8月26日 「アブラキサン点滴静注用100㎎」供給停止に関する要望 大鵬薬品工業 代表取締役社長小林 将之 殿  いつも膵臓がん患者に対してご高配を賜り感謝申し上げます。  さてこのたびの「アブラキサン点滴静注用100㎎供給停止」問題に鑑み、膵臓がん患者支援を本務とする我々NPO法人パンキャンジャパンでは以下の3点を要望する次第です。速やかにご検討、実行いただけますようお願い申し上げます。 1) 安定供給の早急な復活を内容とする緊急ステートメントを患者向けに発出すること。2) 今般の「アブラキサン点滴静注用100㎎」の供給停止の原因となった米国アリゾナ州フェニックス工場とは別のイリノイ州メルローズパーク工場で製造される「アブラキサン点滴静注用100㎎」を日本市場向けに提供するよう米ブリストル・マイヤーズ スクイブ(アブラキシスサイエンス社)に働きかけ、緊急輸入すること。3) フィニックス工場にて同様な問題が発生しても、2度と供給停止が起こらないようリスクマネジメントの対策をたて患者向けに発出すること。  言うまでもなく「アブラキサン点滴静注用100㎎」はわが国では膵臓がん、胃がん、乳がん、肺がんの治療に用いられていますが、その65%は膵臓がんの治療に用いられています。8月26日に発出されたがん関連主要6学会の「合同声明」が言及しているように、胃がん、乳がん、肺がんではパクリタキセルに切り替えるなどの処置をとることが可能ですが、膵臓がんでは代替する治療薬がありません。つまり、進行性膵臓がんを含む多くの膵臓がん患者が「アブラキサン点滴静注用100㎎」の使用によって生存を確保している現実があります。今般の「アブラキサン点滴静注用100㎎供給停止」問題は患者、家族にとって寝耳に水の事態であり、大きな不安と動揺を与えております。患者、家族の不安を取り除き、治療継続に支障が生じないように速やかに実効性のある対応を要望する次第です。                        NPO法人パンキャンジャパン                       理事長 眞島喜幸

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