第1回難治性がん研究アドボカシーリーダーシップトレーニング

Deadliest Cancers Research Advocacy Leadership Training     我が国では、難治性がんの筆頭である、膵臓(すいぞう)がんの罹患者(りかんしゃ)はすでに35,000人を超えていると言われているほか、人口の高齢化を受け、膵臓がんを含む難治性がん患者の死亡者数は増加傾向にあります。   がん研究の成果が患者に迅速に還元されることで、がん患者の生存率・QOLは改善されますが、我が国のがん研究・臨床試験体制を強化しない限り、有効な治療法、集学的治療、第一選択肢としての臨床試験などの実現は難しいのが現状です。しかし、過去にエイズが治る病気になったように、研究者、患者会、学会、製薬企業、行政などのステークホルダーがひとつとなって協働し、がんと闘えば、希望をつくりだすことができます。   この度、膵臓がん患者支援団体である特定非営利活動法人パンキャンジャパンは、来る2015年7月31日から8月1日の期間で、日本では初となります「難治性がん研究アドボカシーリーダーシップトレーニング」を開催いたします。   本イベントは、がんのなかでも最もアンメットメディカルニーズ(未だ満たされていない医療上のニーズ)が高く、最も生存率の改善が求められている難治性がん(膵臓がん、胆道がん、肺がん、さらに、再発・転移性がんなど)をサポートする団体を対象とし、難治性がん研究の現状・課題について理解し、同時に難治性がん研究をすすめる研究者と協働し、我が国のがん研究活性化を目指した支援活動、政策提言活動をすすめるためのトレーニングです。   難治性がん患者を支援する団体のリーダーシップトレーニングを通して、アドボカシーリーダーを育成し、日本癌学会による日本版SSP(米国癌学会によるScientist-Survivor Programの略)のAdvocate Mentorにつなげる予定です。私たちはこの活動を通して、日本のがん研究の成果が迅速に日本のがん患者に還元されるよう、がん研究・臨床試験体制を支援したいと考えております。   目的: 1.日米欧のがん研究、臨床試験、治験制度、がん関連の政策に詳しい専門家を招き、日本のがん研究・臨床試験の現状と課題、政策提言に繋げるための基礎知識について学ぶ。 2.本リーダーシップトレーニングで学んだことをベースとして、我が国のがん研究の成果が研究所(Bench)から臨床の現場(Bedside)まで、シームレスに(障壁なく)流れ、迅速に患者の手元に届き、予後改善に結びつくよう、患者会のリーダーを中心にステークホルダーに働きかける契機となること。 日時:2015年7月31日ー8月1日 参加患者団体:国内17団体(予定) 参加地域:12都道府県(予定) 講師:      …

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政策提言:ドラッグラグ解消に関する署名3万3千筆を厚生労働大臣に提出

ドラッグ解消に関する署名3万3千筆を厚生労働大臣に提出     厚生労働大臣 塩崎恭久 様  私は、膵臓がん患者の遺族で、大岡友子と申します。  夫は、平成20年11月に膵臓がんのため、49歳という若さで亡くなりました。診断された時点で、すでに手術ができない状態でしたので、化学療法に頼らざるを得ませんでした。たとえ完治は望めなくても、化学療法によって一日でも長く延命できることを、本人、家族ともに切に望みました。  当時、膵臓がんに保険適用されていたのは、ゲムシタビン、S-1の2剤だけであり、この2剤による治療を受けましたが、薬の効果はあまり長くは続きませんでした。2剤とも効果がなくなり、これ以上できることはないことを、主治医から告げられたときのことは、生涯忘れることはできません。結局、夫は、診断を受けてから、10か月経たずに亡くなりました。  現在では、保険適用薬は5剤に増えたものの、まだ治療の選択肢が足りているとは言い難い状況です。そうでなくても膵臓がんは早期発見が難しく、診断時点で手術が不可能、延命のためには化学療法が命綱というがんです。使える抗がん剤が一剤でも多く増えることは、患者とその家族にとって、延命への希望の光です。私のような思いをする人がこれ以上増えることのないよう、欧米の標準治療薬が一日でも早く、一剤でも多く保険適用されますよう、切にお願い申し上げます。  私からお願い申し上げるのは以上です。   平成27年5月1日 膵臓がん患者遺族代表  大岡 友子        厚生労働大臣 塩崎恭久 様  私は進行膵臓がん患者の落合誠一と申します。 2002年に膵がん肝転移(Ⅳ-b)と告知をうけました。 膵がん患者の8割は手術が出来ず、又再発を含めるともっと多くの患者が抗がん剤による全身療法に頼らねばならない状況です。  薬が無いのではなく、使えば一定の効果が期待される薬はジェネリック医薬品 を含め多数あるのに使う事が出来ず、患者が世を去っていくという現実は、膵がん患者として残念でとても悔しい思いです。  本署名は、治療薬を使い切り追い詰められ待ったなしの、全国の膵がん患者・ 家族・協力者の、尊い思いが沢山詰まっております。膵臓がんは、他の部位のがんと比較し、とてつもなく厳しく、使える薬剤がまだまだ足りていないのが現状だと思います。  一刻も早く、一剤でも多く使えるようにし、これからも命を繋いでいけるという希望を与えて頂きたいと切望致します。 平成27年5月1日 進行膵臓がん患者代表 落合誠一        …

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政策提言

      日本で最大の膵臓がん患者支援団体として、パンキャンジャパンは膵臓がん患者に希望を与えるための活動を政策提言分野でも推し進めています。日本人の3人に1人はがんとされている現在、特に膵臓がんは過去40年間にわたり生存率の向上が見られませんでした。そして、日本における膵臓がんは、がん全体における死因5位、年間約3万人以上に増加し、見過ごすことはできない疾病となっています。パンキャンジャパンは、米国最大の膵臓がん患者組織であるパンキャンと共に、設立以来わが国の膵臓がん患者に希望を与える活動を政策面からも行ってきました。       1995年はじめて膵臓がんへの効果が認められた抗がん剤はゲムシタビンでした。日本におけるがん治療では、欧米で開発・承認された抗がん剤を多く使用しています。問題は欧米で開発・承認された抗がん剤が日本で承認あるいは保険適用されるまでに時間差があることです。1995年以来、日本の膵臓がん治療に使われる抗がん剤は増えてきましたが、新たに海外で登場している抗がん剤との間には時間差(ドラッグ・ラグ)があるのが実情です。 膵臓がん患者がドラッグ・ラグ解消を求め、署名活動を行い、厚生労働省に提出し勝ち取ったのがゲムシタビンの承認でした。それから10 年たち、膵臓がん患者により、再度署名活動が行われ、承認されたのがエルロチニブでした。こうした抗がん剤が海外で使用が開始されてから日本国内で保険適用薬として承認されるまでに年月がかると、多くの患者が海外で使える薬があるにもかかわらず、使えない状態が続くことになります。 このような状況にパンキャンジャパンは設立以後、患者団体として日本国内で署名活動を行い、早期承認を厚生労働省へ求めてきました。     2013年度7月ドラッグラグ要望書提出にあたっては、全国より31,382筆の署名を預かり、厚生労働省の田村大臣へ提出してまいりました。その結果、それまで不定期に設けられていたい適応外薬保険適用審査窓口を常設することができました。       読売新聞朝刊(8月1日)「海外薬承認を促進」 ドラッグラグ問題解消を訴える患者からの手紙 ドラッグラグ問題解消を訴える遺族からの手紙     全国から封書、インターネットで寄せられた署名は、パンキャンでまとめられて、厚生労働書ドラッグラグ解消を求める要望書は患者代表、遺族代表を通して厚生労働大臣へ届けられています。 この署名運動は一過性のものではありません。膵臓がんの現状が改善されるまで繰り返し政府へ提出する予定です。(1度ご提供してくださった方の署名も受け付けております。)         政府のがん対策について、膵臓がん患者の現状を伝え、改善を求めていくために、これまであらゆるプロジェクト、委員会においてパンキャンジャパンは発言(パブリックコメント)をしてまいりました。みなさまからすい臓がんについての政府への意見をぜひともパンキャンへお伝えください。当事者の声として政策へ反映させるために私たちは努力いたします。   米国パンキャンの政策提言(アドボカシー)のページ…

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政策提言:ドラッグラグ問題ーナブパクリタキセル承認

      すい臓がんの治療には、多くの抗がん剤が必要です。それは、抗がん剤の効果は平均的には認められていますが、個人差があります。奏効率(=投薬によってがんに変化がみられる率)は1-3割の抗がん剤が多く、治療に当たっては抗がん剤の選択肢が多いことが患者の希望につながります。     抗がん剤の新薬は臨床試験(第三相試験)で標準治療薬との比較試験で優れた成績がえられれば認可するの通常の手続です。日本国外で開発されている抗がん剤の場合、開発国で認可されれば、そのまま日本国内でも承認されるわけではありません。再度日本国内で臨床試験をして承認を得る必要があります。自由診療として日本国内でも未承認薬を使うこともできますが、保険適用外のため極めて高額な費用がかかります。     海外ではすでに標準治療薬として使用されているのに日本国内では使えない、この問題をドラッグラグといいます。5年生存率が約90%の乳がんでは抗がん剤が20種類以上ありますが、すい臓がんでは4種類(国内。2014年1月時点)しかありません。パンキャンジャパンはすい臓がん患者の希望をつくるためには、このドラッグラグを解消し、抗がん剤の選択肢をさらに増やさなければならないと考えています。   今回承認されたナブパクリタキセル(英語表記:Nab-Paclitaxel/商品名:アブラキサン)は、切除不能なすい臓がん向けに治療に効果が認められた抗がん剤です。2013年9月に米国FDA(アメリカ食品医薬品局)ですい臓がんの承認をうけました。日本では大鵬薬品が米国セルジーン社からライセンスを得ています。すでに日本国内で2010年に乳がんで承認を受けて使用されていましたが、すい臓がんは承認を受けてけていない、ドラッグラグの状態にある抗がん剤でした。   パンキャンジャパンは、2006年の設立以来ドラッグラグ問題解消の為に活動を続けてきました。今回のナブパクリタキセルについては、最短の1.2年(15ヶ月)で国内承認を実現することができました。         ドラッグラグ問題を根本的に解決するためには、新薬の国際共同治験に参加することが必要です。国際共同治験とは、米国企業が開発する場合には、日本も同時に臨床試験に参加することです。そうすれば、米国と日本の同時承認が可能になります。   実は、パンキャンジャパンは2011年6月に米国セルジーン社(Abraxaneの開発元)に、第三相国際共同治験に日本も参加できないかを直接交渉をしましたが認めて貰えませんでした。これを解決するには、日本国内でも臨床試験を円滑かつ迅速に実施できる環境を整えていくことが必要だと言われています。そうしない限り、国際共同治験において日本は後回し(ジャパンパッシング)になり続けます。   参照:国内ニュース:<ドラッグ・ラグ問題>日本経済新聞の「医出づる国」(8月25日)特集   日本のすい臓がんの研究発展のためには、公的・私的助成金をつかい、臨床試験を含めた日本のすい臓がん研究環境を支援することが不可欠です。 パンキャンジャパンでは「膵がん撲滅基金」を通して寄付を集めています。日本の膵癌研究発展のために是非ともご協力ください。      

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政策提言:ドラッグラグ問題解消を訴える遺族からの手紙

厚生労働大臣 田村憲久 様   膵臓がん遺族からの手紙      私は埼玉県よりまいりました膵臓がん患者遺族の今野喜彦です。  私は、14歳のときに膵臓がんで母を亡くしました。いまから7年前のことです。  その当時は、膵臓がんに使えるお薬はひとつしかなく、そのお薬もしだいに効かなくなりました。医師から、「もう使えるお薬はありません」と言われた時の母と父の悲しい顔をいまだに覚えています。  母は14歳だった私に、伝えたいことがまだたくさんあったと思います、今でも元気で生きていてほしかったと思っています。    膵臓がんで使えるお薬はいまだに3剤しかありません。  私たちのような患者家族の悲しみを繰り返さないように、膵臓がんのドラッグラグを解消して使えるお薬を増やしてください。 お願いします。   平成25年6月24日    今野喜彦    埼玉県さいたま市       All of this article are copyrighted. (記事の転載には、申請が必要です) Edited  2013.6.25

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政策提言:ドラッグラグ問題解消を訴える患者からの手紙

厚生労働大臣 田村憲久 様   膵臓がん患者からの手紙        私は愛知県よりまいりました膵臓がん患者の落合誠一と申します。    膵臓がん患者の8割は手術が出来ず、主に抗がん剤に頼らねばならない状況です。いまは、患者仲間とお互い励ましあいながら頑張っておりますが、あるとき患者仲間がきて、「私に使える薬はなくなりました」と言って、悲しそうな目をして病院を去って行かれました。  その方とはそれ以来、二度とお会いすることはありませんでした。  ともに戦ってきた闘病仲間が次々と先立っていかれる現実が後をたちません。使える薬が無くなり追い詰められるのです。    米国では膵臓がんに10剤程度承認され、使われているそうです!!!!  それらの薬はすでに日本で承認され、他のがんに日常的に使われています。薬がないのではなく、あるのに使えない・・・・・ 患者としては理解出来ない所です。このような悲惨な実態は、私の中での「誇りある日本のがん医療の姿」ではありません。悔しくてなりません!!!    本日ここに署名をお持ち致しましたが、この中には抗がん剤3剤を使いきり、治療法が無くなって追い詰められた待ったなしの、全国の膵臓がん患者さんの、すがる様な思いが沢山詰まっております。  皆さんは固唾を飲んで本日の結果を注目しています。 一刻も早く、一剤でも多く使えるようにし、治療の選択肢を増やして、これからも命を繋いでいけるという、生きて、生きて、生き抜けるチャンスと希望を与えて欲しいと思います。  それからもう一つお願いがあります。 私は、我が国の膵臓がんに関する研究が、他の部位のがんに比べて大きく遅れていると感じています。いまだに、早期発見ツールもなく、進行した膵臓がんを治す薬もありません。    「第3次対がん10か年総合戦略」では、難治性がんが重点項目であったにもかかわらず、膵臓がんには僅かな研究費しかつかなかったそうです。膵臓がんは難治がんであり、がんの王様と言われています。この様な厳しい状況を早く改善して行くために、膵臓がんの研究予算を増額していただき、研究者を増やし、国の重点テーマとして今まで以上に力を入れて頂きたいと願っております。    どうか患者の願いを汲み取って頂きたく、宜しくお願い申し上げます。   平成25年6月25日 落合 誠一 パンキャンジャパン患者諮問委員  …

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政策提言:「難治性がん研究法」にオバマ大統領が署名

海外ニュース   2013年1月3日「難治性がん研究法」にオバマ大統領が署名   膵臓がんアクションネットワークは、「難治性がん研究法」に署名したオバマ大統領を賞賛 (2013年1月3日)    オバマ大統領は「難治性がん研究法」に署名することにより、膵臓がんとの戦いの歴史を作りました。以前「膵臓がん研究と教育法」として知られていた法案は、「国防授権法」ととも提出され、12月21日に米議会を通過しました。このランドマークとなる画期的な法律は、米国国立がん研究所(NCI)が膵臓と肺がんを含む最も致命的ながんと診断された人々の治療成績を向上させるために、早期発見方法やより良い治療の選択肢を開発すること、また、非常に生存率の低いがんに関する現在の研究努力を検証することを要求しています。 ”「難治性がん研究法」の採択は、難治性がん、特に膵臓がん、との闘いで歴史的な勝利です。それが膵臓がんのために特異的に立案された最初の法律だからです" と ジュリーフレッシュマン、膵臓がんアクションネットワークの社長兼最高経営責任者(CEO)は語りました。"全国の大勢の膵臓がん撲滅運動の支持者と患者を代表して、我々はこの法案に署名してくださった超党派の議員の方々、ならびに、オバマ大統領に深く感謝いたします。"   "この成果は、法案のリードスポンサーである代表アナエシュー(Anna Eshoo D-CA)議員、代表者レナードランス(Leonard Lance R-NJ)議員、及び上院シェルドン·ホワイトハウス議員(Sheldon Whitehouse D-RI)のリーダーシップなしには可能ではなかっただろう。彼らのハードワークと、熱烈なアドボケートネットワークの信じられない献身的な努力が、この法案が法律になるために必要な勢いを与えてくれました。また、この重要な法案を通過させるために、努力を惜しまなかった患者会「肺がんアライアンスLungCancerAlliance」パートナーに感謝いたします。 何よりも、この法律は、膵臓がん患者とその愛する人のための希望を提供します。今日、我々はこの重要な一歩を祝いますが、膵臓がんによって大切な人の命を奪われた多くの人々の悲しみを忘れてはなりません。 " 「難治性がん研究法」では、NCIは、膵臓がんおよび他の難治性がんのための科学的なフレームワークを確立する必要があるとされています。これらのフレームワークは、科学的進歩を識別し、研究者の十分性を評価し、継続的な研究のための計画をアウトラインするために役立ちます。法案は、NCIの現在の研究を補完するものであり、適切なベンチマークを通して研究や対策の進捗状況を前進させるための推奨事項が含まれてバランスのとれたアプローチです。 NCIは厳密に既存の研究の努力を評価し、難治性がんの予防、発見、診断、および治療法の進歩を支えているかを検証することが推奨されます。   現時点では、膵臓がんの早期発見法も、また効果的な治療オプションもありません。それが、膵臓がんコミュニティにとり、今回のオバマ大統領が署名して法律化した法案の重大な意義です。この法律は、最終的には膵臓がん患者のための未来を変更する機会を提供しています。   今年、ほぼ44000人のアメリカ人(27000人以上の日本人)が膵臓がんと診断され、37,000以上が死亡します。膵がんの5年生存率は現在わずか6%で、すべての主要ながんキラーのなかでも最低の生存率です。そのため、早期発見方法もなく、また、効果的な治療法の選択肢も不足しているため、膵臓がんは発生率と死亡率の両方が近年増加しています。現在のがん死亡者数では膵臓がんは4位ですが、このままの傾向が続くと2020年までに米国ではがん死因の2番目に主要ながんキラーになると予想されています。 膵臓がんアクションネットワークは、「難治性がん研究法」の成立を主張する中で、「肺癌アライアンスLung Cancer Alliance」の努力と支持を称賛します。私たちは米国の最も致命的ながんを敗北させるために協力する組織との連携、協力を楽しみにしています。 "とフレッシュマン代表が語りました。

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政策提言:すい臓がんのドラッグラグ、アクセスラグ解消に関する要望書(2021度版)

2021年度版要望書 更新日:2021年3月27日     膵臓がん患者の現状    日本のがん患者は欧米で開発・承認された抗がん剤を使用しています。問題は米国食品医薬品局(FDA)が承認した薬剤が日本で承認され、患者がその新薬により治療を受けることができるまでには未だに大きな時間差(ドラッグアクセス・ラグ)があるのが実情です。この状況は、ゲノム医療がスタートしたことにより、深刻化してきています。  米国FDAは2015年10月にはドラッグデリバリーシステム(DDS)改良型のイリノテカンリポゾーム注射剤(商品名オニバイド)、2017年5月には、膵臓がんではじめてチェックポイント阻害剤ペンブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)、2018年12月にはNTRK融合遺伝子変異陽性に対するエヌトレクチニブ(商品名ロズリートレク)、2019年12月にはBRCA1/2遺伝子変異陽性の患者に投与されるオラパリブ(商品名リムパーザ)を承認しました。これらの薬剤は、2020年末から2021年に入り、次々と日本でもPMDAによって承認されてきました。しかし、患者が最新のゲノム医療にアクセスできるのかと言えば、承認後でもアクセスできないという問題が患者を悩ましています。   このドラッグラグ、アクセスラグには、大きくわけて2つの問題があります。まず、ゲノム医療の入口である、がん遺伝子パネル検査の使用についてと、出口、ようするに、パネル検査の結果判明した遺伝子変異に対応する薬剤の使用についてです。  ゲノム医療の第一歩であるがん遺伝子パネル検査が2019年に保険償還され、ゲノム医療がスタートしました。しかし、日本の膵癌診療ガイドラインと同じ米国のNCCNガイドラインでは、膵癌診断時に生殖細胞系遺伝子検査を全員に受けることが推奨されており、また、転移性膵癌患者には同時にがん遺伝子パネル検査を推奨しています。米国の場合、早い段階でファウンデーションワンCDX(FoundationOneCDx)とMSK-IMPACTの2種類が承認されていましたが、それプラス、ファウンデーションワンリキッドという組織生検の必要がなく、血液検査で診断できる遺伝子検査も承認されています。日本でも2019年に2つのがん遺伝子パネル検査が保険償還され、2021年3月にファウンデーションワンリキッドも承認されました。検査の選択肢は日本でも米国同様に増えてきてはいますが、肝心のがん遺伝子パネル検査を診断時に受けることができず、標準療法を受けた後にしか検査を受けることができないために、治療の機会を失う難治性がん患者が日本では続出しています。  米国のパンキャン本部が行ったKnowYourTumor(ノー ヨア チューマー)研究では、25.4%の膵臓がん患者にアクショナブルな遺伝子変異が見つかり、その後、マッチした治療薬を投与された場合、マッチした治療薬を投与されなかった患者群、標準治療の患者群に比較して、治療成績が良かったことから、2019年にNCCNガイドラインが改訂され、遺伝子検査が診断時に推奨されるようになりました。ゲノム医療の入口に関する問題については、日本の膵癌診療ガイドラインは2022年に日本膵臓学会により改訂になりますので、その時に診断時にがん遺伝子パネル検査が推奨されることがとても大切です。  続いて出口の問題ですが、ゲノム医療の選択肢として大きな役割を担うのが、遺伝子変異(腫瘍マーカー)にマッチした分子標的薬を使った臨床試験です。いま米国では膵臓がんの領域で140以上の臨床試験が実施されております。そのなかには、2年という短期間でFDA承認まで到達する新しいタイプの臨床試験も含まれています。しかし、ゲノム医療の希望と言われている臨床試験・治験が日本では少ないことが、患者の不利益につながっています。また、日本では米国のように適応外薬(オフラベル)が使用できません。そのように、がん遺伝子パネル検査後の治療選択肢(臨床試験、遺伝子変異にマッチした適応外薬の使用)が極端に限定されているため、パネル検査を勧めない医療者もいるくらいです。そのような問題を解決しようと患者申出療養制度を使って、臓器横断型受け皿試験をゲノム医療の中核病院では進めています。現在、製薬企業3社から10種類以上の薬剤が無償提供されていますが、この制度下では、使われた薬剤の治療成績により即承認、適応には至らないことが課題です。また、全国12か所の中核拠点病院に行かないとそもそも患者申出療養制度を受けるができないこともあまり知られていないという問題があります。  短期間に患者に新薬を届けることができる臨床試験と承認体制こそ、いまゲノム医療がスタートして、拡大しつつある適応外薬及び臨床試験欠如の問題で苦しむ日本の膵臓がん患者が必要としている体制です。ぜひそのような新しい体制を一日でも早く日本で実現し、ドラッグラグ、アクセスラグ・ゼロを実現したいとパンキャンジャパンは考えています。  日本のがん患者は欧米で開発・承認された抗がん剤を使用しています。問題は欧米で開発・承認された抗がん剤が日本で承認あるいは適応拡大されるまでには、未だに大きな時間差(ドラッグ・ラグ)があるのが実情です。膵臓がん患者がドラッグ・ラグ解消を求め、署名活動を行い、厚生労働省に提出し勝ち取ったのがゲムシタビンの承認でした。それから 10 年たち、膵臓がん患者により、再度署名活動が行われ、承認されたのがエルロチニブでした。しかし、承認されるまでがゲムシタビンで 5.1 年、エルロチニブで 5.7 年もかかりました。  パンキャンジャパンが活動をはじめたころは、他のがんでは 15 剤くらいの抗がん剤が使えましたが、膵臓がんでは使える抗がん剤が少なく、ゲムシタビンしかありませんでした。その後、S-1、エルロチニブ、フォルフィリノックス、ナブパクリタキセルが承認されました。2015年10月にFDA承認されたゲムシタビンに耐性ができた患者向けイリノテカンリポゾーム注射剤(商品名オニバイド)も2020年には日本で承認されました。これらの抗がん剤は、症状緩和、延命効果などの効果が認められていますが、治療を続けていくうちに耐性ができて効果がなくなるケースが多く見られます。欧米で標準的に使われる抗がん剤にはゲムシタビン、エルロチニブ、フォルフィリノックス、腹膜播種などの治療で使われるドセテキセル、カペシタビン、ゲムシタビンとの併用で使われているナブパクリタキセルのほか、2017年5月にFDA承認されたMMR遺伝子欠損陽性患者向け免疫療法である抗PD-1抗体薬ペンブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)、家族性膵臓がん患者に有効と言われているプラチナ系製剤であるシスプラチンなどがあります。さらに、分子標的薬では、2018年11月に承認となったNTRK融合遺伝子変異に対するラロトレクチニブ(商品名ビトラクビ )、2019年12月に承認となったBRCA遺伝子変異陽性に対するオラパリブ(商品名リムパーザ)などがありますが、すべて日本でも2021年3月までに承認されました。また、日本では世界に先駆けてNTRK1/2・ROS1融合遺伝子変異に有効なエントレクチニブ(商品名ロズリートレク)が2019年に膵臓がんでも承認となっています。米国同様、FDA承認された新薬は次々と日本で承認されてきていますが、問題は、それらの新薬を使ったゲノム医療を日本の膵癌患者は受けることができない、ようするに『ドラッグアクセスラグ問題』があることです。5年生存率が70%以上という他の癌種と異なり、過去40年間5年生存率が唯一一桁台という、難治性癌のなかで最も治療が困難な、特殊な癌が膵臓がんですが、その病気に適したゲノム治療が受けられない状況が続いています。  国内でも他のがんの治療にすでに使用されている最新のゲノム医療に関連したバイオマーカーに基づいた分子標的薬、免疫療法などは、米国で膵臓がんの治療に使われていて、国内でも他のがんの治療に使われているにもかかわらず、国内で膵臓がんには適応になっていないため、いまだに使うことができません。これからは遺伝子検査により効果が期待される適応外薬の医薬品が膵臓がんでもますます重要となってくることが予測されます。しかし、承認体制の整備が遅れているため、米国NCCNガイドラインに推奨されているように、転移性膵臓がん患者は診断時にがん遺伝子パネル検査を受けられるように配慮し、遺伝子変異にマッチした適応薬・適応外薬が投与されるよう、体制の整備を進めることをお願いします。進行している膵臓がん患者がこれ以上苦しみ続けることのないよう、このドラッグラグ問題(適応外薬問題)の早急な解決を強く要望いたします。   特定非営利活動法人パンキャンジャパン 理事長 眞島喜幸…

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NHKスペシャル「がん医療:1万人アンケート」募集

 NHKでは現在「がん」をテーマにした特集番組の取材・制作を進めています。 6月30日(土)に放送予定のこの番組では、日本のがん患者が直面している不安や悩みをさまざまな角度から掘り下げ、安心できる「がん医療」の姿を探ります。実際に、がんを経験された方やそのご家族の声を反映し、番組内容を充実させる手段としてアンケート調査を実施するそうです。  なお、アンケートはWEBサイト上で行われ、そのURLは一般に公開されておりません。パンキャンジャパンではNHKからの依頼により、会員あてに来週以後アンケート回答のお願いをメールで送らせて頂きます。ぜひご協力頂けますようお願い申し上げます。アンケートの回答期限は5月15日までとなります。

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がん患者のための臨床試験の話

日経BP社 がんナビReport「がん患者のための臨床試験の話」より     「臨床試験に参加しませんか」―。がんの治療中、担当医にそう声をかけられたり、ポスターやチラシを目にしたりしたことはないだろうか。「臨床試験って興 味はあるけど、なんだか怖い」「人体実験のようなものではないか」と思っている人もいるかもしれない。臨床試験は何のために実施されるのか、参加するとど んなリスクとベネフィットがあるのか―。がん患者が知っておきたい基礎知識をまとめた。(福島安紀=医療ライター)   Vol.1 臨床試験ってどんなもの?(2011.09.27) Vol.2 臨床試験の情報はどうやって集めればいい?(2011.10.11) Vol.3 実際に臨床試験に参加したら、どう進む?(2011.10.25) Vol.4 取り残される日本のがん治療薬開発(2011.11.08) Vol.5 新薬開発を進めるために患者ができること(2011.11.22)

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