【期待されるサイエンス】膵臓がん治療のために、より多くの標的を見つける研究

LetsWin LoConte seribantumab anti HER3 antibody

【期待されるサイエンス】膵臓がん治療のために、より多くの標的を見つける研究

~DANからRNAに注目する時代へ~

著者:ノエル・ロコンテ博士

2021年1月13日

ゲノム医療の延命治療をより多くの人々にもたらすことを願って、新しい標的を見つけることは膵臓がん研究の重要な焦点です。同時に特定の遺伝子変化をもつ膵臓がん患者のために新しい分子標的治療薬を開発することも同様に重要です。いま注目を集めている遺伝子変異の1つはNRG1融合遺伝子と呼ばれます。 NRG1融合遺伝子はまれですが、研究によると、膵臓がんを含む一部の固形腫瘍に存在しており、潜在的にアクショナブルな発癌ドライバーであることが示されています。

ウィスコンシン大学のカルボーネがんセンターの消化器腫瘍学者のノエル・ロコンテ医学博士は、膵臓がん患者の約6パーセントがNRG1融合遺伝子を持っていると述べています。 「私たちは常に膵臓がんの新しい標的を探しています。NRG1融合遺伝子変異陽性の患者は比較的小さな割合にすぎないかもしれませんが、NRG1融合遺伝子変異を阻害する治療薬は潜在的に患者の予後を大きく改善する可能性があります。」

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海外ニュース:スコットランドの新型コロナ感染症関連入院に対するワクチン初回投与の有効性:540万人の前向きコホート研究結果

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スコットランドの新型コロナ感染症(COVID-19)関連入院に対するワクチン初回投与の有効性:540万人の前向きコホート研究結果

新型コロナ感染症に対するファイザーとアストラゼネカ・ワクチンに関する最初のリアルワールド研究は、2種類のワクチンの素晴らしい予防効果を示しました。1回のワクチン接種後、28〜34日での新型コロナ関連入院に対するワクチン効果は、ファイザーワクチンで85%、アストラゼネカワクチンで94%の効果でした。世界でワクチンの需要が供給を大幅に上回ることが問題視されているなか、今回の研究で、1回の接種で入院を必要とする重症化を防ぐ効果が85%得られることがわかりました。

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ASCOニュース:新薬デビミスタットが転移性膵臓がんにFDAファストトラック指定を受ける

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ASCOニュース:転移性膵臓がんの新薬デビミスタットは、FDAファストトラック指定を受ける

 

2020年11月17日

最近、米国食品医薬品局(FDA)は、転移性膵臓癌の治療のために新規薬剤デビミスタットdevimistat(CPI-613)にファストトラックの指定を付与しました。

デビミスタット(Devimistat)は、がん細胞の増殖と生存に不可欠なプロセスであるミトコンドリアのトリカルボン酸回路を標的とするように設計されています。デビミスタットは、さまざまな化学療法剤に対するがん細胞の感受性を大幅に高めます。この相乗効果により、デビミスタットを組み合わせることで一般的に毒性のある薬剤を低用量で組み合わせることが可能となります。その潜在的な組み合わせが、患者の副作用を抑えながら、より効果的な治療をすることが可能になります。

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海外ニュース:膵臓がん研究2020年のレビュー

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海外ニュース:膵臓がん研究2020年のレビュー

2020年12月30日

2020年3月、私たちが知っていた世界が変わりました。私たちの働き方、集まり方、私たち一人一人の日常生活の仕方はすべて、一夜にして、変わってしまったと感じました。

新型コロナ感染症(COVID-19)の世界的大流行は、癌の治療や研究を含むすべての人に影響を及ぼしました。 COVID-19は、治療によって免疫系の機能が損なわれているがん患者に新たなリスクをもたらし、患者とその世話をする人々を保護するために治療の提供方法を変えなければならないことがよくおこりました。 Dana-Farber Cancer Institute(マサチューセッツ州ボストン)および他の医療機関の研究者による報告によると、COVID-19はがん治療を複雑にしている一方で、臨床ケアの課題に対する創造的な解決策にも拍車をかけていることを示唆しています。さらに、新しい新型コロナ感染症の研究は、長年のがん研究で得られた洞察から恩恵を受けています。

昨年1月以降、とても困難な状況でしたが、いまでもなおそうですが、膵臓がんの医師、科学者、その他の人々は、このような状況の下で研究を継続する方法を考案してきました。多くの研究室はパンデミックの初期に一時的に閉鎖され、臨床試験は中止されるか、新しい参加者を受け入れることができませんでした。しかし現在、研究は慎重に正常化しています。研究室が再開され、社会的距離を確保するためにスタッフが研究室へ出社するタイミングをずらされていることが多く、作業をすすめることは大変ですが、それでも多くの臨床試験では患者の募集が再開されています。短期的には大規模なCOVID-19のワクチン接種が約束されており、将来は確かに少し明るくなったように見えます。

このような難しい問題に直面したにもかかわらず、膵臓がんコミュニティは、より良い治療法を見つけることを目指して、疾患をよりよく理解するための努力を止めませんでした。これは、昨年のハイライトのほんの一部の要約です。

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海外ニュース:膵がんサードライン治療薬、SM-88が進行膵がんに有望な結果を示す

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TYME CMBT

海外ニュース:膵がんサードライン治療薬、SM-88が進行膵がんに有望な結果を示す

著者 ジーナコロンバス

治験薬SM-88は、進行膵がん患者を対象とした第2相TYME-88-Panc試験で有望な生存期間を示しました1,2。

2019年の消化器がん世界会議(World Congress on Gastrointestinal Cancer)で発表された調査結果によると、RECISTの臨床的有用率(CBR)によって安定(SD)以上の良好な判定を受けた患者は、利用可能な画像の判定にて44%となり、少なくとも安定(SD)に到達した患者の死亡リスクは92%減少しました(HR 0.08; P = .02)。また、SM-88を投与された患者の大多数が7ヶ月以上、安定(SD)以上を維持したため、臨床的有用率(CBR)は耐久性があったと、治験薬の開発社であるTyme Technologies、Incはプレスリリースで報告しました。

TYME社のSM-88は、がん代謝ベースの治療法(CMBTs™)という、新しいカテゴリーの治療薬です。がんの代謝の変化とそれに関連する脆弱性を活用して、基本的な細胞プロセスを特異的に破壊する独自の治験薬です。これには、タンパク質合成の変更、酸化ストレスの増加、pHレベルの低下、タンパク質または脂質バリアの低下が含まれます。さらに、CMBTは、オートファジーを含む選択された生存メカニズムを標的とするだけでなく、腫瘍の微小環境を変化させて癌細胞の免疫認識を改善する可能性があります。

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海外ニュース:オラパリブは日本の膵臓がん適応承認に重要な希少疾病指定を受ける

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Letswin Olaparib MSD AZD

Jose Baselga, MD, PhD, executive vice president, Oncology R&D, AstraZeneca

 

オラパリブは日本の膵臓がん適応承認に重要な希少疾病指定を受ける

2020年3月20日

著者 ジェイソンM.ブロデリック

オラパリブは、生殖細胞変異を有する治癒的に切除不能な膵臓がんの維持療法として、日本で希少疾病用医薬品の指定を受けました。

PARP阻害剤の共同開発者であるアストラゼネカとメルク(MSD)によると、オラパリブ(商品名リンパルザ)は、生殖細胞系BRCA変異の治癒的に切除不能な膵臓がんの維持療法として日本で希少疾病用医薬品の指定を受けました。

この適応症に対する日本でのオラパリブの開発とレビューを促進する指定は、この設定でのプラセボと比較したオラパリブの無増悪生存期間(PFS)の利点を示した第III相POLO試験のデータに基づいています。 PARP阻害剤を使用したPFSの中央値は7.4か月でしたが、プラセボを使用した場合は3.8か月でした(HR、0.53; 95%CI、0.35-0.81;P= .0035)。さらに、2年後、患者の22.1%には疾患の進行がみられなかったのに対し、プラセボを投与された患者で進行がなかったのは9.6%でした。

日本は世界で5番目に膵臓がんの発生率が高いが、患者にとり重要な治療の進歩は過去数十年にわたり限られていました。この指定は、バイオマーカーで選択された進行膵臓がん患者に分子標的薬を提供する上で最初の重要な前進です」と、アストラゼネカのR&D研究開発部門腫瘍学担当エグゼクティブバイスプレジデントであるホセ・バーゼルガ医学博士はプレスリリースで述べています。

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【期待されるサイエンス】人工知能と膵臓がんの早期発見

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【期待されるサイエンス】人工知能と膵臓がんの早期発見

著者 マイケル・ローゼンタール博士 

2020年12月3日

人工知能(AI)は、もはや空想科学小説のようなものではありません。車で通勤する人が乗り合いできるようにライドシェアのアプリがでていますが、そのアプリは使用されていますか?それはAIを利用しています。(米国では、現金の代わりに小切手を使いますが、頂いた小切手を自分の口座に預金するための)「モバイル小切手預金」アプリがあります。これもAIを利用しています。メールスパムフィルターでさえAIを使用していますが、重要な情報が確かな理由もなくスパムフォルダーに仕分けされることがあるのも事実です。

膵臓がん患者にとってAIに対する真の期待は、膨大な量のデータを消化して解析し、最も熟練した医師でさえも見逃す可能性のあるパターンを特定できる、その驚異的な能力にあります。総合すると、これらのAIの特性は、治癒の可能性のある手術をするには遅すぎると診断されることが多い膵臓がんの早期発見への道を開く可能性があります。ただし、AIの可能性を最大限に活用する方法を見つけるには、医学、コンピューターサイエンス、エンジニアリング、数学、業界、政府などにまたがるスキルセットが必要です。

AIの現状と、早期発見を達成するために科学がどこに行く必要があるかをよりよく理解することは、ケナー家族研究基金(KFRF)とアメリカ膵臓学会(APA)によって開催された「AIと膵臓がん早期発見バーチャルサミット」の焦点でした。

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AACRニュース:リキッドバイオプシーは、臨床試験参加を容易にする

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AACR News Liquid Biopsies

AACRニュース:リキッドバイオプシー(血液生検)は、臨床試験参加を容易にする

ある研究によると、消化管腫瘍変異の血液生検による検査は、固形組織を生検した検査に必要な時間の3分の1の時間で結果が得られました。また、血液生検の検査を受けた患者は、臨床試験に参加する可能性が高かいことがわかりました。

著者 エマ・ヤシンスキー

2020年11月6日

研究者たちは、がんの新しい個別化された治療法(プレシジョンメディシン)を開発し続けています。これらの治療法は、特定の分子的特徴を持つ腫瘍を標的にすることが多く、患者とその治療法が最も効果的である組み合わせにマッチさせるには、ゲノム検査が必要です。迅速でアクセス可能なゲノム検査は、これらの標的治療の臨床試験と患者を一致させるために不可欠です。希少ながん遺伝子突然変異に対する効果的な治療薬の試験を実施するために必要な十分な数の患者を特定するためには、数千人をスクリーニングする必要があるかもしれません。一部の患者は、自分のがんに関連する遺伝子変異があることを知らないため、試験を見逃す可能性があります。

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海外ニュース:英国がコロナウイルスワクチンを世界最速で承認

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covid19 vaccine pfizer

英国がコロナウイルスワクチンを世界最速で承認
~来週からワクチン配布がスタート~

2020年12月2日

英国は、COVID-19コロナウィルスワクチンを承認した世界で最初の国になり、ファイザーワクチンは来週から英国内で配布される予定です。

12月2日(水)に、英国の医薬品医療製品規制庁(MHRA)は、Pfizer(ファイザー)とBioNTech(バイオエヌテック)が開発したコロナウイルスワクチンの緊急使用を一時的に許可しました。同じワクチンは米国FDAによる緊急承認のために提出されており、現在もFDAで審査中です。

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膵臓がんのサブタイプは、予後と治療に関する手がかりを教えてくれる

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Andrew Aguirre Lab Team at Dana Farber

The Aguirre Lab Team on the November Pancreatic Cancer Awareness Day.

 

膵臓がんのサブタイプは、予後と治療に関する手がかりを教えてくれる

2020年10月26日

膵臓がんの研究者はみな「共通の目標」を共有しています。それは「この病気を最も致命的ながんの中から救い出し、治療しやすいものに変えたい」という目標です。

アンドリュー・アギーレ博士とデビッド・ティン博士の研究室では、この疾患のいわゆる“転写サブタイプ”と言われる分子的アイデンティティ(特徴)が患者ごとにどのように異なるかを調べることによって、膵臓がんの謎が解明されつつあります。研究の究極の着地点は、個々の患者に最適な治療が何であるかをより正確に診断する方法を見つけることです。

「膵臓がんは非常に攻撃的であるため、治療のファーストライン(第一選択)の設定で適切な薬剤を選択しないと、患者は薬剤からの効果を得ることなしにその毒性を獲得してしまうため、治療の機会を逃してしまいます」とハーバード大学医学部の助教授であるアギーレ博士は述べています。アギーレ博士は、ボストンにあるダナ・ファーバー癌研究所(アメリカ国立癌研究所(NCI)指定がんセンターの1つ)の腫瘍学者であり、ハーバード大学およびMITのブロードインスティテュートの準会員の研究者です。

また、アギーレ博士と研究を進めるティン博士は次のように語ります。「腫瘍マーカーとがんのサブタイプを事前に定義することは非常に重要です。膵臓がんの生物学をよりよく理解し、精密医療(ゲノム医療)がさらに多くの患者に利益をもたらすためには、適切な分子標的療法を特定する必要があります。」ティン博士は、ハーバード大学医学部助教授でマサチューセッツ総合病院(MGH)のイノベーション担当准臨床ディレクターです。

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