医療ニュース:終末期相談支援料を一時凍結

医療ニュース ■終末期相談支援料を一時凍結 厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会は6月25日の総会で、今年4月の診療報酬改定で新設した「後期高齢者終末期相談支援料」の算定を7月 以降、当面凍結することを決めた。即日、舛添要一厚労相に答申する。総会で一時凍結を諮問した舛添厚労相は、これが政治状況を踏まえた措置であることを強 調し、中医協側の理解を求めた。厚労省によると、いったん創設された点数が中医協による検証を経ないで凍結されるのは初めて。 同支援料は、回復が見込めないと医師が判断した75歳以上の後期高齢者が対象。医師や看護師などが共同で患者や家族と終末期の診療方針を話し合い、その内 容を文書にまとめて提供した場合に、医療機関は患者一人につき200点(1点は10円)算定できる。しかし、患者に終末期の医療方針の選択を迫ることで、 それ以外の必要な医療を受けられなくなりかねないと懸念する声がある。 中医協では、こうした懸念が誤解に基づくものであるとする一方、このまま算定しても十分な効果が見込めないとして、一時凍結を了承した。今回の見直しに 伴い、7月1日以降に文書提供した患者については、同支援料を当面算定できなくなる。ただ、中医協は同支援料を算定する医療機関の文書提供の状況などを年 度内に検証。厚労省は早ければ来年度から再開したい考えだ。 舛添厚労相は、同支援料について国民への周知に注力する考えを説明した。また、後期高齢者に限らず、国民全体に終末期医療の対象を拡大する方向で検討する必要性を強調し、今後、検討の場を設ける方針を明らかにした。 (情報元:キャリアブレイン・ニュース 2008年6月25日) http://www.cabrain.net/news/article/newsId/16783.html ■WORD解説■ 「終末期相談支援料」とは B018 後期高齢者終末期相談支援料 200点 注 保険医療機関の保険医が、一般的に認められている医学的知見に基づき回復を見込むことが難しいと判断した後期高齢者である患者に対して、患者の同意を得 て、看護師と共同し、患者及びその家族等とともに、終末期における診療方針等について十分に話し合い、その内容を文書等により提供した場合に、患者1人に つき1回に限り算定する。 *注:診療報酬は1点=10円の換算。200点は2000円の収入となる。 〔参照HP〕 ● 診療報酬全体はこちら⇒ 厚生労働省 「平成20年度診療報酬改定に係る通知等について」 http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/tp0305-1.html ● 終末期相談支援料 等についてはこちら⇒ 厚生労働省 「特掲診療料」…

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AACR: KRAS遺伝子の信号伝達回路に関する研究

米国癌学会(AACR)レポート: KRAS遺伝子の信号伝達回路に関する研究2008年4月15日 第99回米国癌学会(AACR)はサンディエゴコンベンションセンターにて4月12日から16日まで開催された。ポスターセッションにおいて東京女子医科大学教授 古川徹氏が発表した「KRAS遺伝子の信号伝達回路に関する研究」についてお聞きしました。- KRASという発ガン遺伝子は、膵臓がん患者の90%以上に変異がみられるため、いま一番注目されている遺伝子ということですが、その一方でKRAS経由でがん細胞の増殖を抑制することもまた難しいと言われているようですが。。。

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AACR: 膵臓がん幹細胞 - 診断と治療に果たすがん発原細胞の役割

2008米国癌学会(AACR)レポート     近年、がん幹細胞の働きに関する研究は、がん研究の展望をかえてしまった感がある。多くのがんにおいて幹細胞が潜在治療目標として提示されるようになり、今回のAACRにおいてもがん幹細胞の研究が多数発表されていた。以下、2008 AACRで発表された膵臓がん幹細胞に関する最新の研究成果を報告する。   膵臓がん幹細胞 - 診断と治療に果たすがん発原細胞の役割   ジョンホプキンス大学の研究者は、新しい標的療法の開発に繋がる可能性がある膵臓がん幹細胞の存在を確認するための新しいマーカー「アルデヒド・デヒドロゲナーゼ」を特定したと発表した。膵臓がんは非常に悪性度が高く、既存の治療に対して耐性をもつことが知られている。研究者は、化学療法に対する耐性は膵臓がん幹細胞が原因ではないかと考えている。「がん幹細胞は治療可能な目標とされてはいるが、有効な治療法の開発には、純度の高い細胞群の同定と分離が必要である」とジョンホプキンス大学の研究者Zeshaan Rasheed氏は語った。

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AACR: 膵臓がん幹細胞の発見

2007米国癌学会 (AACR): 膵臓がん幹細胞の発見 がん細胞は、正常な細胞と比較すると高い増殖能力を持ち、隣接臓器を浸潤し、離れた部位へ転移する能力も持つとされている。しかし、ヒトやマウスにがんを発生させる能力がある細胞は限られている。その能力を有する一部のがん細胞は、幹細胞の特徴である複製能力と多分化能力も備えていることから、この幹細胞のようながん細胞からがんが発現、進行するという仮説が提唱されるようになった。その後、乳がん、大腸がんを含むさまざまなタイプのがん幹細胞が発見されてきた。 2007年、ミシガン大学の研究者は、初めてヒトすい臓がん幹細胞を同定した。彼らはこの幹細胞はがんの特徴である侵攻的な転移、進行、増殖に関与していると説明した。2月1日号のCancer Researchにおいて、試験に使われた半数のマウスにおいて、ヒト膵臓がん細胞を増殖するために必要な幹細胞数が僅か100であったと報告した。この細胞は、膵臓がん幹細胞の特徴である3種類のプロテインマーカー(CD44+, CD24+, ESA+)を持たない細胞と比較し、腫瘍原性(Tumorgenicity) が100倍強いことが判明した。膵臓がん幹細胞の発見はがんの根源は幹細胞であるという仮説を強く支持するものである。

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ASCO: 2008米国臨床腫瘍学会総会 シカゴ

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2008 米国臨床腫瘍学会総会シカゴ

2008 ASCO, McCormick Place Convention Center, Chicago

 

44回米国臨床腫瘍学会(ASCO2008)は、5月30日にシカゴのマコーミッックプレイスコンベンションセンターにて開幕した。今年のテーマは、「ひとつのコミュニティ:革新的な患者ケア(One Community: Innovative Patient Care)」。すべての腫瘍学専門家が一体となって、治療結果の向上を目指し、最高品質のがん医療を確立することを共通のゴールとしている。

ASCOは、世界中から3万人以上の医療関係者が参加する、オンコロジーコミュニティにとって、世界最大の教育・科学イベントである。学会の内容は、がん患者のケアにかかわる臨床腫瘍医および他のプロフェショナルの教育プログラムの充実をはじめ、臨床腫瘍医・腫瘍研究者のサポート、がん患者への高品質ヘルスケアの提供をその中心に組まれている。

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ASCO: 米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム

2007 ASCO Gastrointestinal Cancers Symposium
2007年全米臨床腫瘍学会 消化管がんシンポジウム

オーランド市、フロリダ州にて2007年1月に開催された2007年全米臨床腫瘍学会消化管がんシンポジウムにおける「膵臓がん」のセッション内容を要約したものである。

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海外ニュース:バージニア・メーソン・プロトコール(補助療法)

  バージニア・メーソン・プロトコール(術後補助療法)     米国シアトル市バージニア・メーソン・メディカルセンターは、膵がんを切除した患者を対象にアグレッシブな補助療法を用いることにより5年生存率を向上したと発表した。  

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臨床試験:進行膵癌ウィルス療法の臨床試験再開

臨床試験   ■進行膵がん患者を対象としたウイルス療法臨床試験   名古屋大学において、初回治療者を対象とした進行膵癌に対するウィルス療法の第1相臨床試験(Phase I)が再開さ れました。「今回は対象疾患を進行膵がん患者様に限定 させて頂き、約3週間前後の手術目的入院中、術中術後の計 3回にわたりHF10を膵臓の癌巣に直接注入し、局所および全身 の観察を行うことによって安全性の評価を行います。」とのこと。   詳しくはこちらをクリックしてください。   Phase I (少数のボランティアで安全性確認) Phase II (少数の患者で有効性確認) Phase III (多数の患者でデータ収集・分析) FDAに申請 し認可を受ける

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2007膵臓がんサミット・ウェブキャスト

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 2007年8月2日から5日までカリフォルニア州ラホヤ市においてPanCANが主催した「膵臓がんサミット」のセッションを収録した動画です。膵癌と生物学の著名な研究者が参加して開かれた当会議では、膵癌に関する未発表の研究成果も含めたレビューがプレゼンされ、今後5年間の「機会と挑戦」についての対話的な議論がなされました。       議題は2つの領域に焦点を合わせました―― 「早期発見」と「治療開発」。会議の結果は、アイデアと調査結果を広く告知するために白書として出版される予定です。 また、この意見交換会は、膵臓がんの研究分野において協働作業を奨励する意図もあります。最終的に、この白書はPanCANの支援する研究ポートフォリオと国立ガン研究所(NCI)の研究活動の方向を形成し、それを実現するための私たちのアドボカシー(政策提言・権利擁護)活動の指針となるでしょう。 セッションを見るには、ここをクリックしてください *膵臓がんサミットのセッションは、基礎科学的なプレゼンテーション及びディスカッションであり、膵癌に関る研究の今後の方向性についてブレーンストーミングした内容です。患者に関する現在の治療方法について説明しているものではありませんのでご了承ください。     サミット参加者リスト Nabeel Bardeesy                       Mass General Hospital Dafna Bar-Sagi                         New York University School of MedicineJordan Berlin                            VanderbiltTeresa Brentnall                       University of…

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2007PanCAN膵臓がんサミット参加レポート(大内田研宙氏)

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PanCAN膵臓がんサミット参加レポート 九州大学大学院医学研究院 臨床・腫瘍外科 大内田研宙氏       ●オープンな雰囲気で開催されたPanCANサミット 去る8月3日から5日午前までの2日半にわたって、米国サンディエゴ近郊でPanCANサミット(と題した国際会議)が開催されました。 この会議には、膵癌を中心とする、全米・、欧州の代表的な膵癌を中心とする癌研究者 が招聘され、現在の膵癌研究 の最前線についての報告がなされました(全て招待講演)。また、さらにこれから特に力を入れて解決すべき課題をリストアップすることを目標に、非常に熱心 な議論がなされました。会議は、朝の8時半から夕方の6時まで行われ、極めて濃密なものでした。また、会議の前後においては、Welcome PartyやDinner Partyが催され、会議に参加したすべての研究者がこれに参加して、研究者同士のコミュニケーションが活発に行われました。その結果、幾つかの研究グ ループの形成につながるなど、大きな成果が生まれており、これらの成果は、PanCAN (Pancreatic Cancer Active Network)という名称に非常によく合致したものであると感じております。また、このPanCANサミットにおいては、研究者同士のコミュニケーションだけでなく、PanCANの運営を行っている多くの役員たちとのコ ミュニケーションも充分にとれるよう配慮されており、お互いの要望などオープンに話し合うことができ、学会発表等だけでは得ることのできない、患者サイド と研究サイドの相互理解や信頼感の形成に大きな役割を果たしました。●私が興味を持ったサミットでの議論ポイント上記のようなムードの中、本サミットは開かれましたが、実際の会議場ではしばしば非常に激しく議論がなされました。以下、本サミットにおいて議論された幾つかのポイントについて特に私自身が興味を持ちましたことを報告させて頂きます。1,膵癌幹幹細胞の同定とその特徴に関してまず、最初に議論されたのが癌幹細胞の報告に関してでした。近年、血液疾患を中心に、腫瘍細胞の中でもほんのわずかな(数パーセント)細胞集団だけがその腫瘍を生み出し、維持することができるとする癌幹細胞の概念が広く提唱されています。ここ2-3年の研究成果によ り脳腫瘍や乳癌など固形癌においてもこの癌幹細胞が存在することが示され、また昨年には大腸癌にも、本年には膵癌でも、その存在が示唆される研究成果が示されています。本会議において、この膵癌の癌幹細胞の報告を世界に先駆けて行ったミシガン大学のDiane Simone博士が、彼女らの現況を未公表データも含めて報告しました。この報告後に行われた議論は、おそらく本会議を通じてもっとも激しいものでした。 この癌幹細胞の概念は、膵癌においても次第に研究の成果が蓄積されてきてはいますが、依然としてまだ膵癌を長く研究してきている研究者たちのコンセンサスをしっかりと得ているという段階ではないようです。しかしながら、もし膵癌の癌幹細胞の存在がさらに明らかに示され、これを標的とした治療法が今後確立されれば、膵癌治療のまったく新しいブレークスルーとなるという期待感が示され、現在の問題点など、前向きに様々な意見が集約されました。2,膵癌の起源に関して次に、膵癌の起源に関する議論がなされました。以前は、臨床病理学的見地から、もっとも一般的にみられるいわゆる通常型の膵癌というものは、膵管上皮に由 来するものであろうと考えられてきました。しかしながら、ここ数年でこの考えを覆す報告がなされてきています。本サミットにおいても、Johns Hopkins病院のSteven Leach博士らが、様々なtransgenic miceを用いた研究成果を報告しました。マウスやハムスターを用いた膵癌発癌実験は、かなり以前からされていましたが、この実験系においてもっとも大き な問題点は、これら動物モデルの発癌過程や発生した癌の形態が、人間でみられるものと大きく異なっていることでありました。しかしながら、近年の遺伝子改変技術により、現在では、人間でみられる発癌過程と非常に類似した膵癌を生じるマウスが開発されています。本サミットでは、さらに、膵臓内の特定の種類の細胞に、あるいはマウスの発達段階の特定の時期に、あるいは炎症などの特定の環境下に、膵癌でよくみられる遺伝子変異を生じさせると、ヒト膵癌に非常に類似した病変が発生することが改めてレビューされました。これら一連の研究成果は、膵癌の起源が膵管上皮でな く、それ以外の例えば腺房細胞などであることを示すものでありました。こういった癌の起源を特定する試みは、真にヒトの膵臓で起こっている発癌過程をマウ スモデルで再現することにつながります。現在、多くの膵癌患者さんたちは、進行癌の状態で見つかります。膵癌の予後が悪いのは、早期診断が困難なためであり、早期診断法の開発が急務ですが、逆…

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