海外ニュース:KRAS阻害剤を化学療法と併用することで、治療効果を高めることができるか?

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海外ニュース:KRAS阻害剤を化学療法と併用することで、治療効果を高めることができるか?

2024年8月20日、

シャロン・レイノルズ 著

 

■概要

2つの研究結果から、化学療法をKRAS阻害剤と併用することで、膵臓がん患者に対するこれらの標的療法がより効果的になる可能性があることが示唆されています。

膵臓がんを標的とする新しいクラスの薬剤は、従来から使用されている化学療法という治療法から助けを得られるかもしれません。マウスを対象とした2つの新しい研究では、実験用KRAS阻害剤MRTX1133に化学療法を追加することで、いずれかの治療法のみの場合と比較して、腫瘍の成長と拡散が大幅に減少することが示されました。

この強力な効果は、化学療法とKRAS阻害剤がそれぞれ、膵臓がんにおけるがん細胞の成長を促進する細胞の指示を異なるセットで停止させるためであることが、両方の研究で明らかになりました。両試験の結果は、6月28日付の「Cancer Discovery」誌に掲載されました。

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サバイバーストーリー:あきらめかけた

Letswin Jenna Thiel

サバイバーストーリー:あきらめかけた

2024年11月4日

ジェンナ・ティール著

  ・食欲の減退がPNETの診断につながった

  ・緊急手術が唯一の選択肢だった 

  ・腸閉塞と敗血症により回復が非常に遅れた

 

食欲が完全に失われたとき、何かがおかしいと気づきました。

ゼリーとアップルソース以外は何も食べたくありませんでした。疲れやすく、無気力で、特に腹部の左上部分に耐え難いほどの激痛がありました。

■さらなる検査を要求

担当医に診てもらったところ、胆嚢炎の可能性もあるが、それも違うようだと考えられました。私は、原因を突き止めるためにさらなる検査を行うよう強く要求し続けました。担当医は、ケンタッキー州ラグランジュのバプテスト・ヘルス・ホスピタルで超音波検査を受けるよう私に指示しました。その後、MRIとCTスキャンを受けました。その際に、膵臓に腫瘍が偶然見つかったと連絡を受けました。

バプテスト病院の医師は、私をルイビル大学病院に紹介し、さらに詳しい治療を行うことになりました。 そこの外科医は当初、腫瘍をそれほど心配していませんでした。 しかし、私が内視鏡検査を受けたところ、その外科医は腫瘍の悪性度の高さに気づきました。 膵神経内分泌腫瘍(PNET)のステージIIIであることが判明しました。 すぐに手術の予定が組まれました。2020年の感謝祭の前日に、膵臓の切除と脾臓の摘出手術を受けました。 病院には永遠とも思えるほど長く入院していました。 体重も70ポンド(32Kg)近く減りました。

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海外ニュース:消化管神経内分泌腫瘍に対するAlphaMedixTMがFDAの画期的治療薬指定を受ける

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海外ニュース:消化管神経内分泌腫瘍に対するAlphaMedixTMがFDAの画期的治療薬指定を受ける

2024年2月12日

放射性医薬品企業であるラジオメディクス社(RadioMedix, Inc.)とオラノメッド社(Orano Med)は本日、米国食品医薬品局(FDA)がAlphaMedixTM(212Pb-DOTAM)が切除不能または転移性消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NETs)の成人患者を対象とし、画期的治療薬指定を受けたと発表しました。

AlphaMedixTMは、ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)未経験者に対する治療薬として、 現在第2相臨床開発段階にある標的アルファ線療法であり、生体内でアルファ粒子を発生させる鉛-212(212Pb)で放射線標識されたSSTR標的ペプチド複合体で構成されています。アルファ線放出核種は、その高いエネルギーと短い飛程により、周囲の健康な組織への毒性を最小限に抑えながら、個々の癌細胞を正確に標的として殺傷することができます。 AlphaMedixTMは、画期的治療薬指定を受けた初の標的アルファ線療法です。

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ASCOニュース:進行性腎細胞がん・膵神経内分泌腫瘍に対するベルツキシファンとエベロリムスの比較

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ASCO2023

ASCOニュース:進行性腎細胞がん・膵神経内分泌腫瘍に対するベルツキシファンとエベロリムスの比較

著者 マシュー・ステンガー 

2024年9月4日

シュエイリ氏らによるThe New England Journal of Medicine誌への報告によると、第III相LITESPARK-005試験において、進行性透明細胞型腎細胞がんの治療歴のある患者を対象に、低酸素誘導因子-2α阻害薬ベルツチファンとエベロリムスを比較したところ、無増悪生存期間の改善が示されました。

試験の詳細
この非盲検試験では、2020年3月から2022年1月の間に、6つの地域から集められた免疫チェックポイント阻害薬(ICI)療法および抗血管新生療法を受けたことのある746人の患者が、進行または容認できない毒性が出るまで、ベルツキシファン120mg(n = 374)またはエベロリムス10mg(n =372)を1日1回投与する群に無作為に割り付けられました。主要評価項目は無増悪生存期間および全生存期間でした。

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AACRニュース:AACR特別会議「膵臓がん研究の進歩」

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AACR Pancreatic Cancer Sp Conference 2024 Boston

AACRニュース:AACR特別会議「膵臓がん研究の進歩」

2024年10月1日

著者:キラン・フォスター

診断から5年後の生存率が13パーセント前後にとどまっている膵臓がんの現状では、革新的で効果的な膵臓がん治療の必要性は依然として非常に高い状態です。

朗報としては、最近開催されたAACRの特別会議で、膵臓がんのより深い理解だけでなく、より効果的な治療法を見出すための世界的な取り組みが進行中であることが示されました。

2024年のAACR特別会議「がん研究: 膵臓がん研究の進歩」と題されたこの会議には、600人以上の専門家が参加しました。これは、これまでの参加人数としては最大であり、また、疾患に特化したAACR特別会議としては最大規模のものです。 250件以上のポスター発表と51件の口頭発表では、悪液質、免疫学および免疫療法、腫瘍微小環境など、さまざまなトピックが取り上げられました。 今年の会議では臨床に重点が置かれ、研究がどのように患者ケアに結びつくかが示されました。

ラボで行われている新しい研究は数多く、臨床現場にも導入されつつあります。 治療に対する個別的なアプローチはこれまで以上に身近なものとなりつつあり、これは会議全体を通しての主要テーマでした。 例年通り、レッツウィンではいくつかのプレゼンテーションの概要をお届けします。また、今後数か月の間に、AACRのさらなる調査結果をより詳しくお伝えする予定です。

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海外ニュース:MEK阻害剤の薬剤耐性を克服する新たなアプローチ

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Letswin Dr Siolas

海外ニュース:MEK阻害剤の薬剤耐性を克服する新たなアプローチ

2024年10月17日

著者:デスピナ・シオラス博士

・Avutometinib(RAF/MEK阻害剤)
・Defactinib(FAK阻害剤)

標的とすることが難しい KRAS タンパク質(膵臓がんの 90% 以上に見られる)に影響を与えることを目指し、研究者たちはMEK1 および MEK2 と呼ばれる KRAS シグナル伝達に関連するタンパク質に狙いを定めました。

MEK阻害剤であるビニメチニブやトラメチニブの開発は、標的療法の武器として大いに歓迎され、BRAF変異型黒色腫やKRAS/BRAF変異型大腸がんの治療に有望であることが示されました。しかし、がんは生き残るために次々と回避策を見つけ出します。科学者たちはすぐに、RAS経路の単一ノードを遮断するだけでは多くの患者には不十分であることに気づきました。

腫瘍細胞は別の場所で経路を再活性化したり、並列経路を活性化したりすることで反応したのです。このような難題を克服するために、Verastem Oncology(本社ボストン)の科学者たちはRASシグナル伝達ネットワークを制御する他の方法を検討しました。彼らは、RAFとMEKの両方を阻害する錠剤アブトメチ二ブ(avutometinib)と、選択的FAK阻害剤であるデファクチ二ブ(defactinib)を開発しました。

これらを併用することで、FAK経路の並行シグナル伝達を防止しながら、RAS経路の阻害を最大限に高めることができます。 つまり、この薬剤は、がんが必要とするタンパク質を標的とし、耐性克服にも役立つのです。(編集注:アブトメチ二ブは中外製薬株式会社が創製し、Verastem Oncology社が開発中の薬剤です。KRAS変異陽性の卵巣がんに対するavutometinib、およびdefactinibのFDA新薬承認申請が提出されたという記事が11月1日付で中外製薬のHPに掲載されています https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20241101160000_1440.html

初期の研究では有望な結果が示され、現在、この薬剤は膵臓がんの標準治療であるゲムシタビンおよびナブパクリタキセルの化学療法と併用して試験されています。

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2025年3月30日『パープルストライド東京2025@芝公園』開催のご案内

 PurpleStride2024USACherry blossoms

?芝公園の桜は満開に!
『日本最大の膵がん啓発ウォーク&ラン「パープルストライド東京2025」ー3月30日開催』

3月30日(日)、日本最大の膵臓がん啓発イベント「パープルストライド東京2025」が開催されます。ちょうど芝公園の桜が満開を迎えるこの週末、お花見も楽しみながら、膵がん撲滅のためのチャリティウォーク&ランに参加してみませんか?

本イベントは、膵臓がんの早期発見や治療の促進を目的としたチャリティイベントで、収益は「膵癌撲滅基金」に寄付され、研究支援や啓発活動に活用されます。会場は東京・港区の芝公園4号地多目的運動広場。がん研有明病院とパンキャンジャパンの共催で開催されます。

今年は、ウォーク2コース(増上寺開運コース、スカイウォークコース)、ラン2コース(3km・5km)と、選べる4つのコースをご用意!桜の名所を歩いたり走ったりしながら、楽しく社会貢献ができます。

当日受付もありますので、どなたでもお気軽にご参加ください。
ぜひご家族やご友人と一緒に、春の芝公園で特別なひとときをお過ごしください。

?皆さまのご参加を心よりお待ちしています!?

 

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【イベント】11月21日(木)世界膵臓がんデー(WPCD)と膵癌教室セミナーの開催

WPCD2024
『[膵臓啓発月間] 11/21「3都市ライトアップ」、11/23「膵癌教室セミナー」開催」
世界膵臓がんデー(WPCD)と11月の膵臓がん月間に合わせた、2つのイベントをご紹介します。
 
1つめは、11月21日世界膵臓がんデー(WPCD)に開催される「3都市ライトアップ」。北海道、大阪、沖縄の3都市により、ランドマークの美しいパープルのライトアップがされます。共催は、大阪国際がんセンター、NPO法人がんと共に生きる会、パンキャン北海道支部、沖縄支部。今回は、清音ミュージックさんによる 膵がん教室のテーマ曲『希望の光』を背景におおくりします。
 
●11月21日「3都市ライトアップ」 
 こちらはお申込み等はありません。
 当日の配信をご覧いただき、同じ時間を楽しんでいただければ幸いです。

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ASCOニュース:特定のKRAS遺伝子変異が膵臓がんの予後改善と関連

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ASCOニュース:特定のKRAS遺伝子変異が膵臓がんの予後改善と関連

著者:ASCO POST Staff

2024年10月3日

・KRAS G12D 侵攻性のがんと最悪の転帰に関連している可能性

・KRAS G12R より良好な全生存期間に関連している可能性(G12Rは膵臓がんでのみ発生)

・KRAS G12V より良好な全生存期間に関連している可能性

 

KRAS 遺伝子における一般的な変異は、他の変異と比較して膵管腺がん患者の全生存期間の改善と関連しているようです。その理由の一部として、この変異は侵襲性と生物学的活性の低下につながる可能性があることが、Cancer Cell誌に発表された最近の研究で示唆されています。

この研究では、膵管腺がん患者の約95%に発生するKRAS変異は、KRAS G12R、KRAS G12D、KRAS G12Vなど、さまざまな種類があることが示されています。 これらの変異は、患者の予後について医師に貴重な情報を提供する可能性があります。

「これらの変異には大きな違いがあることが分かりました」と、本研究の上席著者であるロヒト・チャンドワ二(Rohit Chandwani)MD、PhD(外科および細胞・発生生物学部門助教授、およびWeill Cornell Medicineの癌研究におけるMildred L. and John F. Rasweiler研究奨学生)は述べました。この情報に基づき、「臨床ガイドラインを改訂し、すべでの膵臓癌患者に対して定期的な分子検査を推奨すべきである」と助言しています。

現行のNCCN臨床腫瘍学ガイドライン®では、後期の局所進行性または転移性膵臓がん患者には分子プロファイリングを推奨していますが、膵臓に限局した早期がん患者には推奨していません。

ニューヨーク・プレスビテリアン/Weill Cornell 医療センターの外科腫瘍医でもあるチャンドワ二博士は、変異が膵臓腫瘍の挙動にどのように影響するかを理解することが、将来的に治療方針の決定に役立つ可能性があると述べています。

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サバイバーストーリー:膵臓癌に屈したが折れなかった家系図

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サバイバーストーリー:膵臓癌に屈したが折れなかった家系図

2023年11月2日

著者 ケイ・ゼッド・ケサー

膵臓癌のサバイバー、ケイ・ゼッド・ケサー

  • 膵臓がんの家族歴は広範囲にわたるが、変異は確認されていない
  • 定期的なスクリーニングでは症状が現れるまで腫瘍の増大を見逃していた。ステージIIIの診断
  • 2種類の化学療法と定位放射線治療
  • 定期的なフォローアップスキャン

 

私が13歳のときから、膵臓がんは我が家の医療生活を定義づけてきました。

私の母は44歳で診断され、その1年後に亡くなりました。 その悲しい日から、私は兄弟2人(うち1人は診断から11日後に、もう1人は3ヵ月後に亡くなりました)、叔母2人、従兄弟2人をこの悪性疾患で失いました。 定期的な検診と早期検査の重要性を理解している人間がいたとすれば、それは私でした。

私はBRCA陰性でしたが、アシュケナジム系ユダヤ人であることにはリスクが伴うことを知っていました。私はバージニア州の自宅で定期的に膵臓がんの検査を受けていました。かかりつけ医は私の家族歴をカルテに書き加え、私のスキャンに特に注意を払うよう指示しました。私は成人した子供たちにも自分たちの遺伝歴について学ぶよう強く勧めました。

ですから、ステージIIIまで進行した状態で、私自身が診断を受けた時のショック、裏切られた思い、打ちのめされた気持ちを想像していただけるでしょう。私は余命が近いことを確信していましたので、自分の好きな癒しの音楽のCDをナイトテーブルに置き、自分でリクエストできなくなった晩年には、家族が私のために流してくれるようにと用意していました。(私は計画的な人間なのです。)それは2015年のことでした。

8年、6人の医師、1つの治験、3つの異なるプロトコルを経た今でも、私は自分のストーリーを語り、不屈の精神の力、家族の恵み、医師たちの献身、そして現代医療の素晴らしさを証言しています。

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