(祝)膵がん患者に便利なリキッドバイオプシーが薬事承認される

(祝)膵臓がん患者に便利なリキッドバイオプシー(がん遺伝子パネル検査)が薬事承認される

~手術を受けられない膵臓がん患者に朗報!~

従来の腫瘍組織を採取した組織生検は、簡単ではないことから膵臓がん患者への負担が大きいことが問題視されてきました。一番いいのは手術で摘出された腫瘍組織を使って行うがん遺伝子パネル検査ですが、膵臓がん患者の約2割と限られていることから、多くの患者は、膵臓にある腫瘍から超音波内視鏡検査(EUS-FNA)を使って、針生検を行い採取する方法しかありませんでした。このためには入院検査が必要となります。従って、ゲノム医療の入り口である、パネル検査は必須ですが、患者にとっては越えなければならない高い壁でした。しかし、2021年3月23日のリキッドバイオプシーの薬事承認で、その障壁も取り除かれる可能性が広がってきました。

2021年3月23日、中外製薬株式会社は、すい臓がんを含む固形がんに関連する包括的遺伝子プロファイリング(CGP: comprehensive genomic profiling)を提供する検査として、「FoundationOne Liquid CDx」が厚生労働省により薬事承認されたと発表しました。

(more…)

Continue Reading(祝)膵がん患者に便利なリキッドバイオプシーが薬事承認される

ASCOニュース:膵臓がんのKRAS活性抑制による免疫療法改善の可能性

KRAS

ASCOニュース:膵臓がんのKRAS活性抑制による免疫療法改善の可能性

2021年3月15日

臨床医が膵臓がんの症例の90%以上に存在するKRAS遺伝子変異の活動を止め、免疫療法への反応を大幅に低下させることができれば、この病気の治療を改善する可能性が高まります。 イシェンコ博士等がNature Communication誌で発表した共同研究は、KRASが免疫回避を促進する方法をよりよく理解するための最初の一歩を踏み出しました。そして、KRAS活性の抑制が癌と戦うためのより好ましい免疫環境をもたらすことを示しました。

KRAS癌遺伝子を治療的にブロックするための以前の戦略は、KRASによるがん細胞の成長促進の役割を打ち消すことに焦点を合わせてきました。「その代わりに、私たちの研究は、発癌性KRASが癌の維持に大きく貢献する免疫抑制の役割を果たすことを示しました。KRASを阻害すると同時に癌によって抑制されている免疫経路を活性化することができれば、膵臓がんの治療が改善されることを示しました」とストーニーブルック大学ルネッサンススクールオブメディシンの微生物学および免疫学科の助教授であるオレクシ・ペトレンコ博士は述べています。

(more…)

Continue ReadingASCOニュース:膵臓がんのKRAS活性抑制による免疫療法改善の可能性

(祝)ラロトレクチニブが膵臓がんに承認される

larotrectinib waterfall small

(祝)ラロトレクチニブが膵臓がんに承認される

 2021年3月23日

 バイエル薬品は、本日「NTRK陽性の固形がん」を対象疾患とする新規TRK阻害薬ラロトレクチニブ(商品名ヴァイトラックビ)が厚労省に承認されたと発表しました。ラロトレクチニブは、膵臓がん、胆管がん、軟部肉腫、乳児型線維肉腫、消化管間質腫瘍、唾液腺がん、甲状腺がん、肺がん、悪性黒色腫、大腸がんなど20 以上の組織型にわたる固形がんで承認されました。

(more…)

Continue Reading(祝)ラロトレクチニブが膵臓がんに承認される

【期待されるサイエンス】 開発中のオンコトリート(OncoTreat)の臨床試験

Lets win oncotreat olive
Ken Olive

【期待されるサイエンス】 開発中のオンコトリート(OncoTreat)の臨床試験

著者 ケン・オリーブ博士

2020年2月13日

医学研究は、基礎、臨床、トランスレーショナルの3つのバケットのいずれかに分類されます。基礎研究はすべて基本的なことであり、膵臓がんのような致命的な病気を引き起こす原因を根本的なレベルで解明します。臨床研究はすべて患者に関するものであり、厳密に管理された試験を通じて、特定の新薬や他のアプローチが現在の標準治療よりも実際に優れているかどうかを調べます。次に、トランスレーショナルリサーチがあります。それは基礎科学と臨床研究の間のギャップを埋めます。

「膵臓がんには非常に大きなニーズがあるため、より良い治療法が必要です」と、膵臓がん研究者のケネス・オリーブ医学部准教授、腫瘍学精密治療、および、コロンビア大学のハーバートアーヴィング総合がんセンター(ニューヨーク)コア共有リソースのイメージングのディレクターでもあるケネス・オリーブ博士は述べています。「私はトランスレーショナルリサーチャーです。トランスレーショナルリサーチで行うことは、基礎科学を通じて学んだことを取り入れて、さまざまな化学物質、基本的にはさまざまな薬を使用して人々を治療する方法についてアイデアを出すことです。

(more…)

Continue Reading【期待されるサイエンス】 開発中のオンコトリート(OncoTreat)の臨床試験

海外ニュース:特定の遺伝子変異を持つ膵臓がん患者のための拡張アクセス試験制度

lets win expanded access
Richard Hopkins; Flickr

 

海外ニュース:特定の遺伝子変異を持つ膵臓がん患者のための拡張アクセス試験制度

~日本にもほしい拡張アクセス試験制度~

2020年11月6日

拡張アクセス制度下で行われる臨床試験は、他の固形腫瘍の患者と共に、進行性膵臓がん患者で特定の遺伝子変異を持つ人を助けることができる可能性があります

編集注:FDAの「思いやりのある使用(コンパショネートユース)」と呼ばれることもある拡張アクセス制度は、すぐに生命を脅かす状態または重篤な疾患または状態の患者が、治験中の医療製品(薬物、生物学的、または医療機器)にアクセスすることを認める公的制度。この制度は、日本にはない。未承認薬を使用する際の安全性の問題、また混合診療が認められていないため、未承認薬を使用すると治療費全体が患者負担となるなどの問題があるため。解決策として、コンパッショネートユース制度で使用できる薬を、既に欧米で承認されている薬に限定することで安全性の問題を回避し、さらに一部で混合診療を認めることで患者の負担を軽減することなども提案されているが、実用化にはいたっていない。
FDAによるこの新しい制度のお陰で多くの臨床試験でテストされている新薬が、拡張アクセスプログラムで利用できるようになりました。ここで紹介する試験は、膵臓がん、大腸がん、非小細胞肺がん、黒色腫など、特定の遺伝子変異を伴う固形腫瘍の患者を対象としています。

(more…)

Continue Reading海外ニュース:特定の遺伝子変異を持つ膵臓がん患者のための拡張アクセス試験制度

『 3/月27日(土)沖縄支部「病気と上手に付き合う栄養を学ぶ会ー膵臓がん勉強会&サロン」開催』

『 3/月27日(土)沖縄支部「病気と上手に付き合う栄養を学ぶ会ー膵臓がん勉強会&サロン」開催』

パンキャン沖縄支部のイベントです。毎日食べる食事。生活の中で「治療中、味を感じなくなった」「食べ物の好みが変わってきた」等、いつもと違う変化を感じる方もいらっしゃると思います。イベントでは 栄養士の植月まみこ先生、新垣千明先生のお2人が「療養中の食事はどんなものが良いの?」など、日ごろお持ちの疑問や悩みを解決できるようにお手伝いいたします。今回は「Web+ライブ開催」で、「ご自宅のPCから参加できるWeb開催」と、沖縄にお住まいの方は会場でご参加可能な「ライブ開催」の併用で開催いたします。治療に耐える体のベースを作る栄養と食事。ご興味のある方はぜひ以下からお申込みください。

日時 2021年3月27日(土)13:00ー15:00
講師 植月まみこ 先生、新垣千明 先生 〔栄養士〕
形式 ①Web参加…ご自宅のPC・携帯から参加可能(遠隔OK)

●お申込み方法 
メール [email protected] 
*メールに「①参加者氏名 ②お立場(患者・家族・遺族・医療関係者・その他) ③ご連絡先(メール・電話番号) ④参加方法(1 Web参加 2 ライブ参加)」を明記の上、お申込みください。

(more…)

Continue Reading『 3/月27日(土)沖縄支部「病気と上手に付き合う栄養を学ぶ会ー膵臓がん勉強会&サロン」開催』

『3月21日 (日)すい臓がん遺族ための パープルハートの集い「心の内をお話してみる会」開催』

purple ribbon november

『[イベント] 3月21日(日) すい臓がん遺族ための パープルハートの集い「心の内をお話してみる会」開催』

すい臓がんのご遺族を対象に、「すい臓がん遺族ための パープルハートの集い―心の内をお話してみる会」を開催いたします。少人数で、今のお気持ちなどをお話していく会になります。
ご興味のある方は、以下よりお申込みください。お申込みが完了いたしましたら、前日までに、参加用のZOOMのURLをお送りする予定です。
(毎月開催の予定ですので、定員で申込が終了いたしましたら、来月お申込みいただけましたら幸いです。)

■「すい臓がん遺族ためのパープルハートの集い―心の内をお話してみる会」
日時:3月21日(日) 10:30~ 1時間程度
形式:Webでの開催(Zoomミーティング)
対象:すい臓がんのご遺族(少数で開催の予定)
参加: 500円 *事前のお申込みが必要です

●お申込み方法  以下のURLからお申込みください
https://ws.formzu.net/fgen/S39186562/
ご入金をもってお申込み完了となります。)

Bereeavement Gathersing in March

 

 

 

(more…)

Continue Reading『3月21日 (日)すい臓がん遺族ための パープルハートの集い「心の内をお話してみる会」開催』

【期待されるサイエンス】膵臓がんのKRAS遺伝子変異について知っておくべき5つのこと

KRAS写真:KRASタンパク質構造(NCI提供)

【期待される科学】膵臓がんのKRAS遺伝子変異について知っておくべき5つのこと

著者 アリソン・ローゼンツヴァイグ博士

2021年2月19日

編集注:肺がんやその他の種類のがん患者のKRAS変異を標的とする新薬に関するニュース報道を見たことがあるかもしれません。この記事は、膵臓がんのKRAS変異について知っておくべき5つのことと、この新薬が膵臓がん患者にどのように影響するかを説明します。

健康な細胞への小さな変化は時々癌につながる可能性があります。ほとんどすべての膵臓がんに見られる遺伝子変化の1つは、KRAS遺伝子の突然変異です。変異したKRASタンパク質のせいで、細胞は癌のように振る舞います。このため、科学者や医師は何十年もの間、KRASやその他のRASタンパク質の活性をブロックしようと試みてきましたが、KRAS遺伝子変異を止めるのは「創薬不可」とされてきました。現在、KRAS遺伝子変異のいくつかの形態をブロックする薬剤開発に向けた進歩が見えてきました。

(more…)

Continue Reading【期待されるサイエンス】膵臓がんのKRAS遺伝子変異について知っておくべき5つのこと

サバイバーストーリー:マイケル・フランシス(ステージ3)

Lets win time and hope

【私の治療】時間と希望

~TGENの臨床試験でNABPLAGEM療法を体験して~

写真:バラ畑の膵臓がん患者マイケル・フランシス

著者:マイケル・フランシス

2021年2月17日

•黄疸は膵臓がんの診断につながります
•化学療法と放射線療法による臨床試験の治療(NABPLAGEM:GA療法+シスプラチン)
•後のメンテナンス処理

私の名前はマイケル・フランシスです。私は米国で6つしかないバラ園の1つを営んでいるバラ農家です。

膵臓がんとしてよく知られている膵腺癌の旅は、2018年11月26日に始まりました。重度の黄疸を患い、吐き気がひどかった週末の後、妻の主張で、主治医を訪ねました。私はすぐにアリゾナ州フェニックスのメイヨークリニック病院の緊急治療室に行くように言われました。

診察室に入ってからメイヨークリニック病院の4階に来るまで、たった6時間しか経っていませんでした。 CTスキャンは血管の周りにあった膵臓の腫瘤を映していました。 III期の膵臓がんにかかっていると言われました。翌日、胆管にステントを留置し、黄疸が消えました。

(more…)

Continue Readingサバイバーストーリー:マイケル・フランシス(ステージ3)

【期待されるサイエンス】膵臓がん治療のために、より多くの標的を見つける研究

LetsWin LoConte seribantumab anti HER3 antibody

【期待されるサイエンス】膵臓がん治療のために、より多くの標的を見つける研究

~DANからRNAに注目する時代へ~

著者:ノエル・ロコンテ博士

2021年1月13日

ゲノム医療の延命治療をより多くの人々にもたらすことを願って、新しい標的を見つけることは膵臓がん研究の重要な焦点です。同時に特定の遺伝子変化をもつ膵臓がん患者のために新しい分子標的治療薬を開発することも同様に重要です。いま注目を集めている遺伝子変異の1つはNRG1融合遺伝子と呼ばれます。 NRG1融合遺伝子はまれですが、研究によると、膵臓がんを含む一部の固形腫瘍に存在しており、潜在的にアクショナブルな発癌ドライバーであることが示されています。

ウィスコンシン大学のカルボーネがんセンターの消化器腫瘍学者のノエル・ロコンテ医学博士は、膵臓がん患者の約6パーセントがNRG1融合遺伝子を持っていると述べています。 「私たちは常に膵臓がんの新しい標的を探しています。NRG1融合遺伝子変異陽性の患者は比較的小さな割合にすぎないかもしれませんが、NRG1融合遺伝子変異を阻害する治療薬は潜在的に患者の予後を大きく改善する可能性があります。」

(more…)

Continue Reading【期待されるサイエンス】膵臓がん治療のために、より多くの標的を見つける研究